レッドウッド国立及び州立公園(アメリカ)

SimonによるPixabayからの画像 レッドウッド国立公園

※アイキャッチ画像は「SimonによるPixabayからの画像 レッドウッド国立公園」

Redwood National and State Parks ( United States of America ) OUV(vii)(ix)

1980年世界自然遺産登録

■永遠の命が芽吹く太古からの巨木の森

アメリカ西海岸カルフォルニア州の北東部、海岸に面した形で南北に広がるレッドウッド国立および州立公園が世界遺産に登録されています。

この公園の主な特徴は、約1億6000万年前から存在し、かつては世界の湿潤温帯地域の多くで発見されていましたが、現在はこの公園を含む一部のみに広がる、(ジャイアント)セコイアの森です。映画「スターウォーズ」や「ジュラシックパーク」の舞台にもなったとか。

セコイアはヒノキ科に属する植物で、ヒノキ同様にまっすぐな幹が特徴の針葉樹です。この地域には、特にその大きさが100m近いものが多く、これらの巨木を”レッドウッド“と呼びます。最も高い木は115mもあり、30階建ての高層ビルに相当するのです!

レッドウッドは別名“永遠の命の木”とも呼ばれ、頑丈で腐りにくく、また、山火事にも強く、たとえ火事にあってもそこからまた新しい命を芽吹く力を持っているのが特徴です。

寿命も3000年を超えるものもあるそうで、長寿という点でまさに日本の世界遺産「屋久島」の屋久杉、縄文杉と似ていますね。長寿の理由の一つに、タンニンを含む樹木のため、昆虫や病気を寄せ付けず、またその根は垂直にはあまり成長せず、大地を這うように水平に広がり、安定性を確保するために他のセコイアの根と絡み合うそうです。

アイキャッチ画像からも想像できるように、霧の多いこの地域の特性を活かし、どんなに高い木でも大地から水分を吸い上げるだけでなく、葉や幹に広がる霧から水分の多くを摂取できるのが特徴です。

そしてセコイアの森以外にも、この公園には大草原や牧場、海や川等の様々な地形もあり、動植物の生態系も非常に豊か。

例えばツガやシャクナゲを含むシダ等が生息し、マダラフクロウのような絶滅危惧種、ハタネズミ、コウモリ、サンショウウオなども生息しています。

特に鳥類は非常に多様で、公園内になんと約280種もの鳥類:ウグイス、アマツバメ、ツグミ、カケス、キツツキ、ライチョウ・・・これは米国全土で見られる鳥類のほぼ3分の1を占めるそうです。

この国立公園は世界自然遺産ではありますが、その価値を形づくるのに、古くからこの地に住まう民族との関わりが欠かせません。

太古の昔からセコイアの森は彼らネイティブアメリカンの家ともいえる場所です。多くの異なる言語を話し、そして多くの異なるアイデンティティを持っていたとされています。海岸や主要な川に家を構えた村落があり、各村同士は独立しつつも、経済的、社会的、宗教的な結びつきがあったようです。

家は倒れたセコイア木材から割った板で、下に掘られた穴の上に建てられ、木を神聖視し、家は生き物であると理解されていたそうです。

その生活様式は鹿、小川の魚、ナッツ、ベリーなど、狩猟、釣り、採集。縄文時代の日本人オーストラリアのアボリジニと似ています。

19世紀半ば、カリフォルニア州北西部の川沿いでが発見されると、イギリス系入植者を中心に移民があふれました。

そして先住民は土地から追い出され、しばしば虐殺に遭うなど、この地域の負の歴史を持っているのです。

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