映画と世界遺産

映画、特に洋画が大好きで、それなりの数を見てきて、舞台に世界遺産が登場するとなおさらワクワクします。

”007”などのスパイ映画や”アルマゲドン”などの世界的有名なアクション・SF系は特に世界遺産が映りがちですが、ほんの一瞬のコマだったりするので、ここではもう少し長めに舞台として映された世界遺産(を含む地域)を取り上げたいと思います。

なお「ローマの休日」など古いものは割愛し、2000年以降のもので取り上げます。また舞台・ロケ地とは限らず、モデルになった場所まで含めた場合はタグの「モデル」を参照ください。

①「マリーアントワネット(Marie-Antoinette)」2006年

フランス国王ルイ16世の王妃の伝記ですが、主演はスパイダーマンのヒロイン役などを演じたキルスティン・ダンストを起用し、教科書で書かれるような王妃としてのアントワネットというより、個人としての人間的な部分がフォーカスされて見やすい内容となっています。

ロケもほとんどを世界遺産「ヴェルサイユ宮殿」で撮影したそうで、実際に訪れるよりもこの映画の方が宮廷生活もイメージできるかもしれません。

②「ミッドナイト・イン・パリ(Midnight in Paris)」2011年

タイトルの通り、夜のパリが舞台で、脚本家の主人公がパリにやってきた夜に、1920年代にタイムスリップする話。ヘミングウェイやパブロピカソ等当時の著名人が登場し、交流していく中で自分の人生を見つめなおすコメディ。

なお余談ですが、主人公の妻役を演じるレイチェルマクアダムス。「アバウトタイム」や「タイムトラベラーズワイフ」など、(なぜかタイムトリップ役が多い)ヒロイン映画はどれも恋愛映画として泣けました。「君に読む物語」もヒロインでした。

この作品では世界遺産の「セーヌ川付近」もよく登場し、重要なシーンでもありますが、ストーリー全体を通してパリの街並みが背景となっています。

また、パリは下記④も参照ください。


③「それでも恋するバルセロナ(Vicky Cristina Barcelona)」 2008年

ヴァカンスで訪れたバルセロナを舞台に、男女4人の四角い関係が描かれるコメディ。主人公の一人は画家であることも含め、スペインの情熱的な芸術部分が表現されていて、内容と舞台もマッチした映画です。

バルセロナの街自体は世界遺産ではありませんが、数々の「ガウディの作品群」が登場します。映画で登場する舞台はコチラもどうぞ。

映画”それでも恋するバルセロナ”ロケ地をめぐる旅|海外旅行情報 エイビーロード (ab-road.net)

④「ビフォア・サンライズ(Before Sunrise)」2004年

ブダペストからパリへの長距離列車で出会う男女が織りなす恋愛映画。三部作の1作目にあたり、2作目はパリが舞台になっています。 

この1作目ではオーストリアのウィーンがメイン舞台。世界遺産に登録されている「ウィーン歴史地区」は、観光名所でもあるシュテファン大聖堂などが登場します。ヨーロッパの都市の中でもウィーンが長く登場するのはアメリカ映画では少ないと思います。

映画で登場する舞台はコチラもどうぞ。

『映画「BEFORE SUNRISE」 ロケ地めぐり』ウィーン(オーストリア)の旅行記・ブログ by ouiouiさん【フォートラベル】 (4travel.jp)

二作目「ビフォア・サンセット」はこれまたパリが舞台になっており、②と同様にセーヌ川の岸辺もよく登場します。

⑤「オデッセイ(The Martian)」2015年

マット・デイモン主演のSF映画で、事故によって火星に一人取り残され、自力で自給自足を行い生還の日を夢見て奮闘する映画。地球で待つ(?)人々の映像はわずかで、ほとんどが火星の荒涼とした世界やシェルター内が背景です。

もちろん舞台は火星ではなく、火星に似た環境として選ばれたのが、ヨルダンのワディ・ラム。見渡す限り砂漠と巨大な岩山は、「スターウォーズ」等数々の”異なる星”の舞台になってきました。

世界遺産としては壮大な自然美とともに、先史時代や古代ナバテア王国時代の壁画など文化的側面が価値として認められ、「ワディ・ラム保護地域」が複合遺産として登録されています。

⑥星の旅人たち 2010年

スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」巡礼中に亡くなった息子の訃報を知った父親。彼は息子はどういう目的で巡礼路を訪れたのか、真意を探るために自らバックパックを背負って巡礼をしてみることに。様々な出会いと別れを繰り返し、行きついた果てに何を思うのか。

そんな現代の巡礼者の気持ちや旅を通して人の心を知るヒューマン映画。世界遺産の道がずっと登場するので、私自身もいつか踏破したいと強く感じました。

⑦エッフェル 2023年

公開された2023年は、エッフェル塔を設計したギュスターヴ・エッフェルの没後100年にあたる都市。フランスではエッフェル塔をキャッチにしたプロモーションが展開されていて、最近ですとエールフランス航空のプロモーション動画もエッフェル塔が中心の舞台になっていました。

1889年開催の「パリ万国博覧会」のシンボルとなる塔の設計に挑んだギュスターヴ・エッフェル。だが、完成までの日々は、いばらの道だった。いかにしてエッフェルは数々の難題に立ち向かったのか? なぜ途中であきらめなかったのか? 実はエッフェルの偉業の影には、愛する女性の存在があった─。

映画サイトより引用

今でこそエッフェル塔はパリのシンボリックな存在ですが、石造りの街並みに「無骨な」鉄筋の塔ができることに、批判する声も多かったとか。特に映画では、セーヌ川近くの緩い地盤の上にどうやって超重量の鉄塔を立てるのか、職人たちの涙ぐましい建設過程も描かれています。

そして資金難やパトロンとの関係など、様々な困難がありました。新しい時代を作るのは、変わらないことを望む声をかきわけてでも突き進む情熱の持ち主であることが伝わる映画です。

ギュスターヴ・エッフェルに扮するのは、ロマン・デュリス。対する恋人役アドリエンヌには、『ナイル殺人事件』のエマ・マッキー。最後まで映画を見たあなたは、エッフェル塔の形は〇の文字に見えることでしょう!



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