スティーブンス・クリント(デンマーク)

Melanie van de SandeによるPixabayからの画像 スティーブンス クリント

※アイキャッチ画像は「Melanie van de SandeによるPixabayからの画像 」

Stevns Klint (Denmark) OUV(viii)

2014年世界遺産登録

■幅数センチの地層が示す地球の生態を激変させた現象

デンマーク シェラン島の海岸に沿ってずっと続く高さ40m幅約15kmにおよぶ白い断崖が世界遺産に登録されています。

この断面が見える地層は約6,500万年前の白亜紀末に中央アメリカのユカタン半島に衝突した隕石の影響によって生じたものとされ、これにより降り積もった地層が見えるのです。アイキャッチ画像では見えにくいですが、断崖の横に黒い線がずっと横に続くのが見えるそうです。

この黒い薄い地層にはイリジウムという重金属が含まれており、地球の表層にはほとんどない元素であるため、地球外からもたらされたものという説が有力だそうです。

これを隕石によるものと仮定すると、その大きさは直径10kmにもおよびます。

これらを裏付けるものとして、一つに世界の他の地域の同様の地層からもイリジウムが含まれていること、そしてこの地層を境に、これより新しい地層から恐竜やアンモナイトなどの化石があまり発掘されていないため、この時代以降に絶滅したことが想定されることがあげられます。

この黒いイリジウム層より古い下の部分が白亜紀(Kreide)、上の新しい時代が古第三期(Paleogene)の地層となっているため、黒いラインをK-Pg境界と呼ぶそうです。

この境界線は様々な調査で、ヨーロッパやアメリカでも発見されており、日本でも北海道浦幌町でも1984年に発見されているそうです。

巨大な隕石は、世界中に灰を降らせるとともに地球上の生物の50%以上を絶滅させ、恐竜時代を終わらせたといわれています。

衝突地点のチクシュルーブ・クレーターは陸地から離れた深海にありますが、スティーブンス・クリオントでは衝突時の地層や、当時の生物化石を間近に観察でき、(K/Pg境界)を明確に示したという点で、地球科学の発展に大きく寄与し、その衝突の影響を示す顕著な見本であるとして世界遺産に登録されました。

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