Delos( Greece ) OUV(ii)(iii)(iv)(vi)
1990年世界文化遺産登録
■ギリシャ神話の太陽と月の神が誕生した聖なる地
エーゲ海、キクラデス諸島の一つ、面積わずか4㎢の小島であるデロス島が、BC5世紀~同3世紀のアポロン神殿を中心とする古代宗教の聖地と政治の中心地であったとして世界遺産に登録されています。
全体が岩に覆われたとても小さな島で、現在はほとんど無人島に近い。
ただ、BC5世紀、ペルシア戦争に際してアテネを中心にギリシアの諸ポリスがいわゆる”デロス同盟”を結んだ場所として有名です。
その後ペルシア戦争の勝利に最も貢献したとされるアテネは、同盟国からの資金を集め、この地に金庫を置いて管理したとされます。これはアテネへの反発を招き、ペロポネソス戦争に発展、のちにアテネはこの戦に敗北、こうしたことがきっかけで古代ギリシャのポリス社会は終焉へと向かいます。
一方、ギリシャ神話の世界では、太陽神アポロンと月の女神アルテミスの生誕の地とされます。
デロス島の北西部の港から北上すると、紀元前8世紀に置かれたとされる大理石のライオン像が迎えます(現在は5頭のレプリカのみ)。その先に”聖なる泉”と呼ばれる、レトがアポロンとアルテミスを産んだと伝えられる場所があるのです。
泉の近くには、紀元前5~3世紀に建てられたアポロン神殿の列柱や、アルテミス神殿、ヘレニズム時代の家屋や生活の貯水槽、劇場の跡地などが残されています。