◇記憶の場(Sites of Memory)

2018 年の世界遺産委員会で「フランス・ベルギーにまたがる第一次大戦の墓地」における審議の際に、その登録について世界遺産の対象とすべきかどうか判断が据え置きとなり、WGを経て様々な議論の末に、「記憶の場」として新たなタイプとして、2023年の世界遺産で登録されることが決議された。

記憶の場とは、もともとUNESCOでは使われていたようですが、”近年の国家や国民、あるいはコミュニティが記憶することを望む出来事がおこった場所であり、記念的側面を有し、紛争の犠牲者を追悼する物証を伴う場所または景観的特徴を持つ遺跡”を指します。

ここで「近年」とは、20世紀以降を示し、「紛争」とは戦争・戦闘・虐殺・拷問・軍事占領・自決運動・抵抗運動・植民地からの解放運動・アパルトヘイトと占領・亡命・集団的な人権侵害・国家の領土保全に影響の与える・与えうる可能性のある出来事や行動を示します。

現在UNESCOの「Decision 18 EXT.COM 4」において決定していることとしては、これらには推薦書に登録基準ⅵの適用について評価を含み、ⅵのみの登録も可。その意味で文化遺産に当てはまるものと推察されます。また、その内容から、関係国間の対話によって合意が成立したうえでの登録とするなど、様々な制約も検討されているようです。

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