世界遺産に関わるkey word

世界遺産が登録されるのに必要な要素、価値基準、そして申請から登録に至るまでの会議やその組織、そこで使われる言葉などの定義を、ここではご紹介していきたいと思います。

各遺産紹介のページにも使われているので、ご参考ください。世界遺産検定でも登場するキーワードが多いと思われます。

◇登録基準(Selection criteria)

世界遺産に登録されるには、顕著な普遍的価値をもち、かつ定められた基準を満たす必要があります。基準は10あり、そのうち1つ以上を満たす必要があります。

◇文化的景観(Cultural landscapes)

「自然と人間の共同作品(景観)」に相当するもの。庭園や公園、宗教的な対象の自然、文化や経済的に影響を受けて進化してきたものです。1992年に世界遺産条約履行のための作業指針に新たに加えられました。

◇グローバル戦略(Global strategy)

1991年の時点で世界遺産条約の締約国が121か国におよび、順調に拡大されていったものの、気づけばそのうち条約は締結していても世界遺産を一つも持たない国が37か国もある状態になっていました。

人類共通の財産であるはずが、なぜ国ごとに偏りがあるのか―

MAB計画(Man and Biosphere programme)

1971 年に発足したユネスコの「人間と生物圏(MAB)計画」は、「人-Man」が営むあらゆる活動と「環境-Biosphere」との相互関係を理解し、資源の持続可能な利用と環境保全を促進することを目的とした国際協力プログラムである。

◇世界遺産基金(World Heritage Fund)

世界遺産の価値を保全していくには、当然お金がかかります。世界遺産条約には信託基金を各国や個人等から募り、以下の基準に沿って使われています。主な拠出は世界遺産条約締約国の分担金です。

◇連続性のある資産(serial property)・国境を超える資産(Transboundary property)

世界遺産の作業指針には、単一の建築等の物件に限らず、複数にまたがる場合についての対処も記載されています。

例えば、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は世界遺産リストには1つの世界遺産として登録されていますが、山口・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・岩手・静岡の8県で計23件の物件が含まれており、全体を通して日本の産業革命のストーリーができ、世界遺産としての価値を示します。

◇記憶の場(sites of memory)

”近年の国家や国民、あるいはコミュニティが記憶することを望む出来事がおこった場所であり、記念的側面を有し、紛争の犠牲者を追悼する物証を伴う場所または景観的特徴を持つ遺跡”を指します。

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