◇連続性のある資産(serial property)・国境を超える資産(Transboundary property)

世界遺産の作業指針には、単一の建築等の物件に限らず、複数にまたがる場合についての対処も記載されています。

例えば、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は世界遺産リストには1つの世界遺産として登録されていますが、山口・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・岩手・静岡の8県で計23件の物件が含まれており、全体を通して日本の産業革命のストーリーができ、世界遺産としての価値を示します。

このように「明確に定義されるつながりによって関係づけられた複数の構成資産をもつ資産で、必ずしも個々の部分ではそうでなくとも、連続体全体として顕著な普遍的価値を有するもの」を「連続性のある資産(serial property)」と定義されます。

また、例えば「シュトゥルーヴェの三角点アーチ観測地点群(10ヵ国)」のように、「複数の締約国の領域にまたがって分布する資産」を「国境を超える資産(Transboundary property)」と定義し、こうした世界遺産は関係する締約国すべてによる推薦となります。

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