◇MAB計画(Man and Biosphere programme)

1971 年に発足したユネスコの「人間と生物圏(MAB)計画」は、「人-Man」が営むあらゆる活動と「環境-Biosphere」との相互関係を理解し、資源の持続可能な利用と環境保全を促進することを目的とした国際協力プログラムである。

その活動の一つとして、自然保護と持続可能な利用を考えて、自然と人間との相互関係の構築を目指した地域を「生物圏保存地域Biosphere Reserves;BR」に1976年より認定しており、120カ国の669地域(越境BR10地域を含む)となっている(2017年12月現在)。

BRは、「核心地域(core area)」「緩衝地域(buffer zone)」「移行地域(transition area)」の3つのゾーニング設定を必要としており、

〇核心地域では生物多様性(景観・生態系・種と遺伝的多様性)の保護

〇緩衝地域と移行地域では地域社会に恩恵をもたらす社会経済開発、さらに科学的研究調査、研修・教育、モニタリング、人々の参画などを通じ、3つのゾーン間での機能的な結びつきを確立することが目標とされている。

―「日本MAB支援委員会」hpより引用(http://mab.main.jp/about_top/about/

世界自然遺産が、顕著な普遍的価値を有する自然を厳格に保護することを主目的とするのに対し、MAB計画により認定した生物圏保存地域は、自然保護と地域の人々の生活とが両立した持続的な発展を目指しています

またこの考えは自然遺産だけでなく、文化遺産においても提唱され、構成資産を核心地域とし、その周囲に緩衝地域と移行地域を設けるという概念は同じです。

なお、日本において生物圏保存地域は「ユネスコエコパーク」という呼称となります。現在10のエリアに分かれており、世界遺産に指定されているものは、

①白山(のうち、白川郷)

②大台ヶ原・大峯山・大杉谷(のうち、大峯山)

③屋久島・口永良部島(のうち、屋久島

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