インドの山岳鉄道群(インド)

Pratik KhalingによるPixabayからの画像 ダージリンヒマラヤ鉄道

※アイキャッチ画像は「Pratik KhalingによるPixabayからの画像」

Mountain Railways of India ( India ) OUV(ii)(iv)

1999年世界遺産登録 2005年、2008年範囲変更

■150年前から険しい山岳を走るインド鉄道の歴史

インドの北部・東部・南部と全く異なる3つの地域に敷かれた3つの鉄道が、まとめて山岳鉄道群として世界遺産に登録されています。

1999年最初に登録されたのが、インド南部の標高2,200mを走る「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」です。この鉄道は、香り高い紅茶ダージリンの産地として名高いこの地域の茶葉の運送用に作られました。

DHR(ダージリンヒマラヤ鉄道)HPによると、ダージリン蒸気路面電車会社が最初に建設したのは1879年のことで、なんと61cmもの狭い軌道であったようです。それには、屈曲が多く、狭い平面しかない山岳地帯を走るため、レールに大胆かつ独創的な技術を開発だったといわれています。

1881年にダージリンまで開通し、社名をダージリンヒマラヤ鉄道株式会社に改名。8,000人と380トンの茶葉を運びました。

その後地震や台風の影響を受けながらも路線は拡大し、1905年には29,000人の乗客と30,000トンの運搬を行い、観光客の利用も増えていったそうです。第二次世界大戦時には軍事利用もされています。戦後も経営は変わりましたが長い利用を経たのちに、蒸気機関車としての利用は減少し、1993年には貨物サービスは終了、1999年に世界遺産に登録されます。

世界遺産登録後の2000年になって蒸気がディーゼルに代わり、エアコンが導入されたのはなんと2018年のことだったようです!

蒸気機関車はトイ・トレインと呼ばれるほど小さく愛らしい機関車として観光客に大人気。茶葉の運搬から観光利用に至るまで、厳しい自然環境の中で150年近く生き続けてきたレールなのです。

一方で2005年に追加登録されたのは、インド東部の「ニルギリ山岳鉄道」です。標高326~2203mの高地を、46㎞にわたって走るニルギリ山岳鉄道は、軌間がダージリンのそれより大きく1mの単線。こちらは避暑地である標高2203mのウダカマンダラムを結び、インドで稼動している最後の蒸気機関車のひとつだそうです。

最も新しく追加登録されたのが、2008年にインド北部の「カルカ・シムラ鉄道」でした。標高656mのカルカと、標高2075mの高地であるシムラを結ぶこの鉄道は19世紀半ばに、シムラを避暑地としていた英国の高官を運ぶために建設されたもので、1903年に完成しました。

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