ドゥブロヴニク旧市街(クロアチア)

2012年撮影

Old City of Dubrovnik (Croatia)  OUV (i)(iii)(iv)

1979年世界遺産登録 1994年範囲拡大 2018年軽微な変更

■ユネスコの建築基準のもとで再建された「アドリア海の真珠」

ジブリ映画「紅の豚」に登場するアドリア海の街並みのモデルにもなっているとも噂される、中世の城壁に囲まれた赤レンガの屋根と石畳が美しい街、ドゥブロヴニク。

その「アドリア海の真珠」と称される美しさは、特に14世紀にハンガリー王国から独立し、ラグーサ共和国として14-15世紀にはヴェネツィア共和国などの海洋都市国家と肩を並べるに等しいほどに交易によって栄えた面影から来ています。

しかしこの街は1990年代に起こったユーゴスラヴィア連邦崩壊によって行った地域紛争により、大半が破壊されてしまった歴史があります。

ユーゴスラヴィア内戦では、まず1991年にスロベニアとクロアチアが最初に独立、クロアチアはすでに世界遺産として人気の観光地でしたが、砲撃が半年以上も続いたとされています。

ユーゴスラビア連邦は1954年のハーグ条約(武力紛争の際の文化財の保護に関する条約)を締結していたため、内戦中であっても文化財の破壊は犯罪と認定されています。

一方で大損害を被った旧市街に対し、新たに新しい街として生まれ変わるのか、あるいは元の街に戻すのかで議論があったようですが、最終的にユネスコの定める建築基準にのっとり、元の街に修復されることになりました。

現在観光で訪れて感じることができるその美しさは、地域住民の声と、そしてユネスコの地道な復興プランがあってこそのものでした。

2012年撮影 スルジ山からの全景

■世界最古の薬局?中世の歴史ある建築

聖ヴラホ教会:

1715年に完成したバロック様式の建築。聖ヴラホは、10世紀からドゥブロヴニクで崇められている、この町の守護聖人です。毎年2月3日はこの守護聖人の祝日となり、ドゥブロヴニク市の日にもなっているそうです。

2012年撮影 聖ヴラホ教会(右)

フランシスコ会薬局:

世界最古とも(あるいは三番目とも)呼ばれる薬局が、フランシスコ会修道院内あり、現在はまるで土産物店のように観光客も購入することができます。

またここにある図書館には、秘伝の薬や良く知られた薬の調剤法が書かれた本が、少なからず所蔵され、中には、不老の霊薬に関するものもあるとか。

2012年撮影 薬局

ロヴリエナッツ要塞

海洋都市国家であることから、外敵は海からきました。そんな要塞の入口には、ラテン語でNON BENE PRO TOTO LIBERTAS VENDITUR AURO(世界中の富をもっても、自由は売ることができない)と書かれていました。

2012年撮影 ロヴリエナッツ要塞

大通り(ストラドゥン):

2012年撮影 夜
2012年撮影 昼
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