アマルフィ海岸(イタリア)

提供写真

Costiera Amalfitana ( Italy ) OUV (ii)(iv)(v)

1997年世界文化遺産登録

■切り立った断崖にへばりつくような街並みが造り上げた景観

ソレントからサレルノに至る約30kmにわたる絶景の海岸線とその街並みが世界遺産に登録されています。

この町はそそり立つ岩壁に沿うように建設され、吊り橋や風の塔、中世初期以来続く魚村群、そして今も残る建築や芸術作品。こうした集落⇒町への持続的な発展が、まさに文化的景観として認められています。

提供写真

また、この制限された一部の平な土地を利用し、ワインになるブドウなども海育ててきました。外貿易を通してイスラム社会からアマルフィに伝わったもだそうで、他にもレモンなども原産しています。

イスラムと言えば、建築様式にもその様相が現れています。

アマルフィは9世紀から11世紀にかけて海洋貿易によって繁栄した海洋国家でした。その歴史は、今も密集した家々が迷路のように路地や階段でつながり、トルコのスークのようにも見え、また建築には「アラビア・ノルマン」様式として知られる東洋と西洋の要素の融合が見て取れるものがあります。

聖アンドリュー大聖堂はそのファサードから、まさにその様式が見て取れます。内部は、スペインと同様、ムーア人の影響も受けた装飾されたアーチの柱廊に囲まれたパラダイスの回廊に通じています。今では結婚式場としてよく使われるのだとか。

また、漁師の守り神聖アンデレを捧げた9世紀頃建造の「アマルフィ大聖堂」も同様の建築様式です。

提供写真 聖アンドリュー大聖堂。アラブ文様はスペインに見られるイスラム建築に近い

アマルフィの町から、エメラルドの洞窟に行くツアーがあります。この地域には石灰岩でできた洞窟があり、鍾乳石と石筍が広がっていて、海の青さとのマッチが観光客を惹きつけます。

1932年に漁師のルイージ・ブオノコアによって発見されたそうで、水中の亀裂を通って、光が洞窟に浸透し、水がまるで生物発光現象のようにエメラルド色に変わるのだそうです。

世界遺産は、アマルフィ以外にも3つの主要な沿岸地域(アトラーニ、レジーナ・マイオール、レジーナ・マイナー)やその他地域で構成されており、中には伝統的な農村や集落が残っています。

タイトルとURLをコピーしました