古都京都の文化財(日本)

2019年撮影

Historic Monuments of Ancient Kyoto (Japan)  OUV (ⅱ)(ⅳ)

1994年世界遺産登録

■平安時代から江戸に遷都するまでの文化・芸術・政治の中心地であった変わり続けた町。

京都と聞くと、街全体が世界遺産だと思われる人も多いと聞きます。しかし残念ながら世界遺産に登録されているのは下記の個々の物件、計17資産なのです。

具体的には京都・滋賀にまたがる3つの神社、13の寺院、1つの城です。

wikipediaで調べると、 現在の構成遺産は、国宝建造物(★)があるか、庭園が特別名勝(◎)に指定されているものだけで構成されています。一部は特別史跡(■)にも指定されています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/古都京都の文化財
  • 賀茂別雷神社(上賀茂)(★):7世紀頃に創建?賀茂氏の氏神を祀る。
  • 賀茂御祖神社(下鴨)(★):7世紀頃に創建?祖父の賀茂建角身命と母の玉依姫命を祀る。
  • 教王護国寺(東寺)(★) :796年創建、823年には空海により真言宗の根本道場に。金堂は入母屋造りの和様と大仏様の折衷。五重塔は日本最大。
  • 清水寺(★):778年開創。坂上田村麻呂創建。17世紀に家光により再建されたものが多い。本堂(舞台)は寄棟造りの屋根と釘を使わない懸け造りでできている。
  • 延暦寺(★):天台宗の総本山。1571年の織田信長により全焼したため、16世紀以降に再建された。広範囲に及ぶ境内地(比叡山)の全てを含む。
  • 醍醐寺(★):907年に醍醐天皇により整備され、豊臣家による再建が多い。入母屋造りの金堂、院家(塔頭)寺院の三宝院(★・◎・■)を含む。
  • 仁和寺(別称・御室御所)(★):888年宇多天皇が完成させるが、応仁の乱で大半を焼失。金堂は宮殿建築と仏教建築の融合とされる。
  • 平等院(京都府宇治市)(★) :下記記事参照。
  • 宇治上神社(★):下記記事参照
  • 高山寺(★):1206年に再興。石水院は寝殿造りの建築。
  • 西芳寺(別称・苔寺)(◎) :8世紀に行基により開山。1339年に夢窓疎石により禅宗寺として復興。枯山水と池泉回遊式庭園。
  • 天龍寺 (◎) :1339年夢窓疎石がすすめ、足利尊氏により建立。建築は明治時代の再建が多い。
  • 鹿苑寺(相国寺塔頭、別称・金閣寺)(◎・■) :1397年に足利義満により建立。応仁の乱や1950年の火災で焼失。下記参照。
  • 慈照寺(相国寺塔頭、別称・銀閣寺)(★・◎・■) :1482年足利義政により建立。庭園は苔寺を模したともされる池泉回遊式。
  • 龍安寺(妙心寺塔頭)(◎) :石庭の作者は不明とされるが、1450年貴族の別荘を禅宗寺院に変えたことにはじまる。
  • 西本願寺(★・◎) :親鸞の廟であったが、1633年には現在に近い姿に変遷していった。
  • 二条城(★・◎):現在残る多くが徳川家を中心とする江戸時代に造営された京都市街の平城。皇室の離宮としても使われ、また幾度と戦の戦火、地震にも見舞われ、改築されている。

例えば金閣寺はあまりにも有名ですが、確かに金色の寺院自体は一度国宝に指定されましたが(1929年)、1950年に一度火災で焼失してしまい、国宝指定から除外されました。一方で1956年に特別名勝として指定された「庭園」は、いまだ健在であり、世界遺産となったのは金色の建物より主に庭園の保存が大きいとされます。

■資産詳細

<宇治神神社 >

内殿は、左殿に菟道稚郎子命(うじのわきいらつこ)、中殿に応神天皇、右殿に仁徳天皇を祀るとされます。

2019年撮影 国宝本殿(覆屋)
2019年撮影 本殿内部 確かに3つの神社が!

国宝は本殿と拝殿。本殿は一間社流造りが3つ、確かに覆屋に入っていました。拝殿は寝殿造りの遺構ともいわれています。また屋根は檜皮葺。

2019年撮影 国宝拝殿

なお境内には「桐原水」という宇治七名水(宇治茶の七名園)の一つが唯一今も湧き水として湧いています。

2019年撮影 飲んではいけないよう・・・

<平等院 >

藤原頼通を開基とし、1052年にもともとあった道長の別荘を寺院に定めたそうです。

2019年撮影 日が沈む西方に極楽浄土あり。夕陽とともに撮りたかった。

当時は末法思想と呼ばれる、現代でいうアルマゲドンのような終末思想が世にあふれた時代。同時の民衆の救いは、死後に極楽浄土という安息の地にいくことが生きる目的にもなっていたとされます。そんな西方極楽浄土を体現させたのが阿弥陀堂で、1053年に建立されました。

2019年撮影 鳳凰堂

阿弥陀堂は江戸時代あたりから鳳凰堂と呼ばれるようになったそうですが、棟の上にある銅製の鳳凰やレプリカ。屋根も本瓦ではなく、木瓦葺きであったとされる説も(木瓦葺きは中尊寺金色堂のみ現存)。空から見ると確かに鳳凰の形をしていそうです。

鳳凰堂内部の壁画や如来坐像菩薩像などが国宝。

鳳凰堂は10円玉や、鳳凰は10000円札にも描かれています。

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