莫高窟(中国)

nhluojによるPixabayからの画像

※アイキャッチ画像は「nhluojによるPixabayからの画像」

Mogao Caves ( China ) OUV(i)(ii)(iii)(iv)(v)(vi)

1987年世界遺産登録

■砂漠の中に佇む千仏洞とも言われる石窟

敦煌の南に広がる砂漠に、突如現れるオアシスのような一帯を中心に、断崖に掘られた490もの石窟が見つかりました。

同じく世界遺産の「雲崗石窟」、「龍門洞窟」とともに中国三大石窟のひとつに数えられる、莫高窟(これ以上高いものは無い の意)です。

石窟のほとんどの内部には、仏教の教えを描いた壁画や仏像があり、中国の仏教絵画資料として貴重なものに当たるそうです。中でも1900年に偶然発見された”敦煌文献”は、唐の時代より古く写本が主流だった時代の貴重で大量の書物でした。

現存する最古の石窟は5世紀初頭につくられ、その後約1,000年にわたり石窟の造築や修復が続けられてきました。

莫高窟のシンボルはアイキャッチ画像の楼閣。9 階構造の天井があり、てっぺんは断崖と同じ高さになっています。

楼閣の中には40m近いの弥勒大仏坐像が鎮座し、中国で三番目の大きさの仏坐像に当たるそうです。5世紀前半に造られた弥勒菩薩は今残る最古のもので、座り方も足を交差させる、北方系民族”匈奴”の文化が表現されていますが、唐の時代のものになると中国らしい仏像に変わっていきます。

世界遺産としては文化遺産の登録基準すべてを有しているのでとても希少性が高いのです。

登録基準ⅰ)492の石窟、2,000以上の彫刻、45,000㎡に及ぶ壁画は中国独自の芸術を残している

登録基準ⅱ)北魏の時代から1,000年にわたって中国、中央アジア、インドの芸術の交流があった決定的な役割を担っていた

登録基準ⅲ)壁画は隋、唐、宋時代の文明を顕著に表している

登録基準ⅳ)石窟は仏教石窟における芸術の聖地ともいえる、顕著な見本としての性質をもっている

登録基準ⅴ)19世紀後半から1930年にわたって仏僧によって、莫高窟文化財研究所の管理の元、宗教的建造物として保存されていったこと

登録基準ⅵ)この石窟はアジア中を広く仏教を伝播する大陸横断的な歴史と強く影響を与えた

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