Hwaseong Fortress ( Republic of Koria ) OUV (ii)(iii)
1997年世界遺産登録
■朝鮮半島と西洋の築城技術の折衷
ソウルより南に位置する水原市にある、華城は1792年に完成した城塞です。
現地ガイド曰く、朝鮮王朝22代目、正祖(チョンジュ)により命じ、父・荘献世子(チャンホンセジャ)の墓を”華山”に移して、そのうえに築城し、華城という名称になったそうです。
世界遺産に登録された理由としては、その築城技術と過程にあります。
もともと平原ではなく丘陵となっている複雑な台地に対し、逆に地形を有効活用したこと、伝統の建築方法を維持しながらも、石だけでなく煉瓦も組み合わせた当時のヨーロッパの築城技術も取り入れたことが評価されました。
また例えば「挙重機」という当時にしては最新の、現在でいうクレーンの技術に近い発明を行ったことも重要な点です。
そして築城には本来10年かかると見られるものを、わずか2年半で完成に至りました。
なお朝鮮戦争の際に城の一部が破損したようですが、「華城城役儀軌」という築城記録を残していたため、元通りに復元ができたことも評価されたようです。
■水原の名物カルビは・・・
荘献世子(思悼世子とも呼ばれる)は幼いころから政治の場に身を置くことなり、優れた王だったようですが、逆に周囲からの反感もかい、しまいには父、英祖に殺害されたと言われています。その殺害の仕方も、米びつに閉じ込め、餓死させたというのだからとても残忍でした。
その子である正祖は、父を不憫に思い、墓を華山に移して築城したそうです。
ところでこの水原市では、韓国ならではの焼肉のメニューである、カルビが有名で、実際に味もとても良かったのですが、もともとここでは牛は放牧されていなかったようです。
一方、華城築城には大量の石が必要で、またそれを運ぶために大量の牛を導入しました。築城後は不要になった牛がどうなったのか・・・?