万里の長城(中国)

My pictures are CC0 When doing composingsによるPixabayからの画像

※アイキャッチ画像は版権フリー画像「My pictures are CC0 When doing composingsによるPixabayからの画像」

The Great Wall ( China ) OUV(i)(ii)(iii)(iv)(vi)

1987年世界遺産登録

■宇宙から見える唯一の建造物とも比喩された長城

実際は幅の狭さから、宇宙から見えることは無いようですが、渤海湾沿岸からゴビ砂漠まで全長約6,000km、あるいは総延長が約8,900kmともいわれる、世界最大級の城壁です。

世界遺産に登録されているのは、ごくその一部の、3エリアに分かれます。

①東端は渤海湾沿岸にある、河北省山海関。城壁が海岸から突き出た「老龍頭」が荒波の上にそびえたっています。漢王朝には確たる城壁が築かれていたそうですが、それより前からその機能は存在していたようです。

②内陸に入り、北京市八達嶺長城。観光地としては最も有名な場所であり、道がここから分かれ四方八達に通じていく、という言葉から呼ばれるようになったそうです。起伏が激しく、春秋戦国時代からこの地域の防衛の重要性が増し、時代とともに増改築されていきました。

③西端は甘粛省嘉峪関。ここは明時代に造られたとされ、景色も変わってゴビ砂漠を通り、この先西に7kmで城壁が途切れているそうです。

世界遺産に登録されているのは上記保存状態の良い3エリアですが、実際は長大な防壁であり、その起源は春秋時代(紀元前8世紀~同5世紀)にさかのぼり、また現在残っている長城はほとんどが明代のものだそうです。

その長さと歴史の古さだけでなく、土、れんが、石を主な建築材料とし、一定間隔ごとに情報伝達の為の烽火台が建てられ、城壁の幅の広さから馬も移動することができるなど機能的にも優れていた点も評価されています。

■保全状況の改善にむけて

城壁自体の保存・管理も長大なために困難を極めますが、さらに八達嶺付近の地下鉄・駅ビル工事や、修繕に当たって使われた素材がオリジナルのものと一致していない、コンクリートで行ったとするニュースも流れましたが、様々な問題が発生しています。

修復には保全復元の五原則(万里の長城のオリジナル状態の保護、最小限の介入、予防的保全措置、遺産の分類、保全状況に応じた保護措置)を守る必要があると世界遺産委員会でも取り上げられました。

長城と言えば同じ世界遺産のローマ時代の「ハドリアヌスの城壁」も世界遺産になっており、各国が手を取り合い、解決策を見出していければと願います。

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