ピーコ島のブドウ園文化の景観(ポルトガル)

Maria e Fernando CabralによるPixabayからの画像

※アイキャッチ画像は「Maria e Fernando CabralによるPixabayからの画像」

Landscape of the Pico Island Vineyard Culture ( Portugal ) OUV(iii)(v)

2004年世界遺産登録

■本来困難なブドウ栽培を可能にした石垣のブドウ園

ピーコ島は、リスボンからはるか先、北大西洋に位置するアゾレス諸島で2番目に大きな火山島です。この大陸から切り離された島の北側と東側の沿岸部を中心に、世界遺産のブドウ園が広がります。

ブドウはもともと乾燥しやすい石灰岩などの大地で育つことが多いですが、ここピーコ島の火山による溶岩の大地。非常に稀でありつつも火山性土壌由来のワインは他にもあるのですが、ことピーコ島においては海から追い上げる潮風が強風なため、本来はブドウを育てるには適さない環境でした。

アイキャッチ画像では見えにくいですが、沿岸部に黒々とした石壁が見えます。これらはすべて人の手によって築かれた石垣。

この石垣は、島の内側から岩場の多い海岸に向かって、直線状の長い壁が並行して延びていて、何千もの小さく密集する長方形に区切られていて、その景観は傑出しているとされています。その一つ一つの中にブドウが育っているのです。

TBSの番組で詳しく取り上げられているのでぜひご覧ください。黒い火山土は太陽光を吸収し、その熱がブドウに甘みを与えているのだとか。

特集『ピコ島のブドウ園の景観』|TBSテレビ:世界遺産

15世紀から続くこの方法ブドウ栽培により、農家の住居、19世紀初期の領主邸やワイン貯蔵室、教会、そして港などが築かれ、文化的景観が認められた世界遺産となっています。

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