リオ・ピントゥラスのクエバ・デ・ラス・マノス(アルゼンチン)

Manfred BieserによるPixabayからの画像 ピントゥラス

※アイキャッチ画像は「Manfred BieserによるPixabayからの画像」

Cueva de las Manos, Río Pinturas ( Argentina ) OUV(iii)

1999年世界遺産登録

■左手の手形が物語る先住民の暮らし

アルゼンチン南部のサンタ・クルス州、パタゴニア地方、ピントゥラス渓谷に沿って点在する洞窟のような壁面が世界遺産に登録されています。

ユネスコのHPにはその登録範囲マップが掲載されていないため、その詳細なコアエリアやバッファーゾーンは不明ですが、この壁面には、クエバ・デ・ラス・マノス=「手の洞窟」を意味する通り、手形が無数に残るロックアートが残されています。

その手の数はおよそ900!

その起源は古くは1万2000年前からの狩猟民族「テウェルチェ」によって描かれ続けてきたものです。

彼らは塗料を動物の骨をストロー替わりにし、左手を型にして吹きかけることで、手形を壁面に描いてきたそうです。ストローをもつ利き手が右手が多かったそうで、手形はほとんどが左手です。

塗料はこの大地に残る酸化した土等を溶かして使っていたようで、非常にカラフルなロックアートになりました。

このあたりは人口が希薄で寒冷・乾燥気候地帯。手形以外に狩猟で狩っていたグアナコというリャマの一種等も描かれており、先史時代の生活が想像できる岩絵としては顕著な価値を有するものとして、そして南アメリカ最古の人類文化の証跡を示すものとしての価値が認められました。

現在テウェルチェの民族は数千人にまで減少し、アルゼンチンやチリに分散しているようです。

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