テ・ワヒポウナム(ニュージーランド)

2009年撮影 ミルフォードサウンド入江

Te Wahipounamu – South West (New Zealand)  OUV (vii)(viii)(ix)(x)

1990年世界遺産登録

■広大な国立公園に守られた翡翠の産地

テ・ワヒポウナムとは聞きなれない発音ですが、先住民マオリ族の言葉で「グリーンストーン(翡翠)の産地」という意味の大地を指します。オーストリアの「ウルル・カタジュタ国立公園」にもアボリジニと大地の密接な関係は切り離せないと記載したように、ニュージーランドもマオリと大地は非常に密接にかかわりを持ちます。

テワヒポウナムに含まれるエリアは4つの国立公園。

  • フィヨルドランド国立公園(12,519 km²)
  • アオラキ/マウント・クック国立公園(707 km²)
  • ウエストランド国立公園(1,175 km²)
  • マウント・アスパイアリング国立公園(3,555 km²)

どれも訪れることができますが、一般的な観光ルートではフィヨルドランド国立公園(ミルフォード・サウンドなどの入江)、マウントクック国立公園(ホテルもあります)の2つです。南島に広く点在するため、すべてを1日で回るのは不可能です。

■マウントクック国立公園

2009年撮影 マウントクック ハーミテージホテル

南島が出来上がった際に中心部に位置し、国内最高峰のアオラキ(マウントクック山)(3754m)がそびえる。約20あるとされる南島の山のほぼすべてがこの国立公園にふくまれます。

山の西側は多くが氷河に覆われています。

東側は観光ルートになっており、マウントクック国立公園内に1件だけホテル(ハーミテージ)が立っており、小さな村を形成しています。世界中からこのホテルを目指して観光客が訪れるので非常に人気です。

残念ながら私が行ったときは天候が悪く、アオラキの峰が見えませんでしたが・・晴れていれば部屋からも見ることができます。

2009年撮影 テカポ湖から望むマウントクック国立公園

また国立公園のルックアウトとして有名なのがマウントクックから流れてくる氷河によってできたテカポ湖です。氷河の水が溶け出るとターコイズブルーの美しい色に染まります。また、季節によってはルピナス(外来種ですが)が咲き誇り、映える景色となります。

■フィヨルドランド国立公園

2009年撮影 ミルフォードサウンド入江

フィヨルド国立公園で有名なのはミルフォードサウンドと呼ばれる入江です。

最寄りの街、クイーンズタウンから車で片道5時間ほどかかります。一般的にはテアナウという村を経由していきますが、そこからでも3時間近くの山道を走り、ようやく入江が見えてきます。

テアナウから入江までの道中 2009年撮影

入江からはクルーズを楽しむのが一般的ですが、この入江(フィヨルド)は氷河によって削られた大地です。

またこれらの国立公園は自然の大地だけでなく、飛べない鳥であるタカヘや、森で暮らすキマユペンギン(フィヨルドランドペンギン)などの絶滅危惧種も生息しており、自然遺産のすべての要素(登録基準)を満たす世界遺産です。

なおニュージーランドには熊や蛇などの危険種が自然には生息していないため、トレッキングなどの散策には最も安全な国ともされています。

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