ケベック旧市街の歴史地区(カナダ)

Aurore DuwezによるPixabayからの画像 ケベック市街

※アイキャッチ画像は「Aurore DuwezによるPixabayからの画像」

Historic District of Old Québec ( Canada ) OUV(iv)(vi)

1985年 世界遺産登録

■遠く離れた国同士が植民地として築いた城塞都市

ケベック州南部の州都、ケベックシティーの旧市街が世界遺産に登録されています。北米では唯一の城塞都市とされ、城壁内部の”アッパータウン”と、外部の”ロウアータウン”に区分されます。

大航海時代を経て、17世紀初頭にフランスの探検家を起点に、街づくりが始まったとされ、現在の人口の80%はフランス系住民です。当時はフランスの北米植民地として宣教師による教会や商人によって街づくりが進められましたが、時同じくしてイギリスからも多くやってきたことで、この地を巡る17世紀以後の英仏間の確執が、今なお色濃く反映しています。

ロウアータウン“には、ケベックシティ発祥の地とされるロワイヤル広場があります。

フランス人探検家が1608年にこの広場を最初の居住地として整備し、ここからケベックシティが発展していったとされます。ですから石畳の落ち着いた雰囲気が漂うロワイヤル広場を囲む建物は、故郷のノルマンディー地方の名残と言えるでしょう。

広場に面して建つ石造教会は、17世紀後半にノートルダム教会として建立。その後、フランス側がイギリス側を破り、記念して、教会の名前を「勝利のノートルダム教会」と呼ぶようになりました。この教会は、レオナルド・ディカプリオ主演映画である 「Catch me if you can」で撮影されています。

ロウアータウンからアッパータウンまでは傾斜なんと45度のケーブルカーでアクセスできます。

45度と言えば、街の住居は特徴的。まず屋根は冬の雪はけの良いよう45度の傾斜で作られています。寒さ対策で天井は低く設定。石造りの壁はなんと50cmもの厚さがあり、断熱の効果を発揮しているのだとか。

一方で乾燥する空気では火災も多く、狭いエリアに家が密集するため、家と家の間は石壁でファイアウォールの役割を果たしているそうです。

アッパータウン“と言えば、アイキャッチ画像にもある、「シャトーフロンテナック」。

1892年に建設され、フランスのお城をイメージして作られました。当時からホテルとして機能し、富裕層向けに開発され、現在はフェアモントホテルが所有しています。

もう一つのシンボルはシタデルと呼ばれる要塞です。こちらはイギリスがケベックシティを植民地統治するために作ったそうで、上から見ると星の形、北海道の五稜郭のようですね。

ケベックシティーは植民地時代の面影を丁寧に今に残し、その保存率はメキシコ以北で最も高いとされ、その様子を伝える貴重な街並みとして評価されました(登録基準ⅳ、ⅵ)。

コメント

タイトルとURLをコピーしました