イルリサット・アイスフィヨルド(デンマーク)

PexelsのHarrison Hainesによる写真 イルリサット

※アイキャッチ画像は版権フリー「PexelsのHarrison Hainesによる写真」 氷河のイメージ画です、イルリサットかどうかは不明。

Ilulissat Icefjord (Denmark)  OUV(vii)(ⅷ)

2004年世界遺産登録 2019年軽微な変更

■タイタニック号沈没の原因?世界で最も早い氷河

グリーンランドはほとんどが北極圏に位置し、島の80%が氷で覆われています。その西海岸に、イルリサットと呼ばれる小さな街があり、ここは氷河期から続く大氷河「セルメク・クジャレク氷河」の玄関口として有名です。

その氷河面積(約32万ha)も大きいですが、標高1200mから海まで連続した、世界でもたぐいまれな氷河であることがポイントです。

この氷河から分離される氷の量は毎年40k㎡(グリーンランド全土から分離する氷の10%)にもおよび、南極大陸以外では最大量だそうです。

また氷河とはその漢字の通り、氷の河として時間とともに移動していきます。セルメククジャレク氷河の移動のスピードは、この標高1200mから生じる勾配によって世界でもっとも早く、早い場合は1日40mも移動するそうです。

こうした地球科学的な地質は「第四期」と呼ばれる地球の歴史から存在するそうですが、類まれなる環境から地質学的にも非常に注目を浴びています(登録基準ⅷ)。

また、この急激な氷河の移動により、大地が削られて、巨大な入江(約4万ha)=フィヨルドとなって形成されました。そのダイナミックな美しさも大きな価値となりました(登録基準ⅶ)

なお、このイルリサットから流れ生じた氷山によって、あのタイタニック号が沈没に至ったとも言われています。

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