モン-サン-ミシェルとその湾(フランス)

提供写真

Mont-Saint-Michel and its Bay (France)  OUV(i)(iii)(vi)

1979年世界遺産登録 2007年、2018年軽微な変更

■夢が現実に?!頭蓋に空いた穴

フランス ノルマンディー地方の海に、ぽっかりと浮いたような岩山があります。

708年、アヴランシュ司教オベールが夢のなかで大天使ミカエルから「この岩山に聖堂を建てよ」とのお告げを受けたが、悪魔の悪戯だと思い信じなかった。再び同じ夢を見たが、また信じなかった。

ついに3度目には大天使はしびれを切らし、今度はオベールの額に指を触れて強く命じたところ、オベールは稲妻が脳天を走る夢を見た。

翌朝、オベールは自分の頭に手を置くと脳天に穴が開いていることに気づいて愕然とし、ここに至って大天使ミカエルのお告げが本物であると確信してここに礼拝堂を作ったのが始まりである。

wikipediaより引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/モン・サン%EF%BC%9Dミシェル

モンサンミシェルの近くに位置する小さな街アヴランシュには、この司教オベールの頭蓋とされるものが聖堂内に安置されています。そしてなんと、その頭蓋には小さな、指先ほどの穴が開いているというのです。

2008年にモンサンミシェルを訪れた際には、アヴランシュを訪れなかったので、いつかまた行く機会があれば、必ず訪れたい場所です。

■ノートル・ダム・スー・テール聖堂

大天使ミカエルのお告げにより建築された、モンサンミシェルの頂点に建つ聖堂は、ノルマンディー・ロマネスク様式でありながら、幾度か増改築され、内陣はゴシック様式になりました。

回廊 提供写真

聖堂の屋根の上には、黄金に輝くミカエルの像が剣と秤を掲げ、まるで飛んでいるかのように見えます。

聖堂建築も非常に素晴らしいものですが、平たんな場所ならともかく、そもそも凸凹の激しい岩山の上にいくつもの建築を加えてきてなお崩れないところも非常に素晴らしい点だそうです。

観光客は入れない聖堂の地下には8世紀よりも古い建築もあるのではないか、という説も残っているそうです。

聖堂内 提供写真

■波にも戦火にも耐えた岩山

もとは聖堂から始まった岩山ですが、14世紀にはいわゆる百年戦争がはじまり、聖堂は一時要塞と化しました。16世紀にも同じように戦火に見舞われ、ついには監獄として機能した時期もあったようです。

また19世紀後半にはアヴランシュとモンサンミシェルを結ぶ、一本の道路とその防波堤が築かれたのですが、これによって潮の流れが変わり、土砂がたまることで、かつてのような「海に囲まれ」なくなってしまう危機に陥りました。

2008年撮影 防波堤

私が訪れた2008年はまさにその防波堤があったのですが、2014には大型の橋に変えられ、無事潮の流れも戻ってきているようです。

大潮の時は橋自体もあえて水没する構造になっているため、かつての完全に海に囲まれたモンサンミシェルを見ることができます。

数ある世界遺産の中でも、もう一度訪れたいと感じた世界遺産でした。

2008年撮影 夜は岩山内のホテルに泊まりました、

タイトルとURLをコピーしました