ピサのドゥオモ広場(イタリア)

Christoph SchrattbauerによるPixabayからの画像 ピサのドゥオモ広場

※アイキャッチ画像は「Christoph SchrattbauerによるPixabayからの画像 」

Piazza del Duomo, Pisa ( Italy ) OUV(i)(ii)(iv)(vi)

1987年世界遺産登録 2007年軽微な変更

倒れそうで倒れない「奇跡の広場」

イタリア中部のトスカーナ地方の自治都市、ピサに位置するドゥオモ広場には、ドゥオモ(大聖堂)・鐘楼・洗礼堂・カンポサント(墓所)の主に四つの建築が残り、広場全体が世界遺産に登録されています。

ピサの歴史は古代ローマ時代まで遡りますが、11世紀に自治都市として機能してから、海のルートで商業で栄え、イタリアの4大海洋国家のうち1つにまで発展しました(その他、アマルフィ共和国、ジェノヴァ共和国、ヴェネツィア共和国)。

特に1063年のパレルモ沖におけるアラブとの戦に勝利し、パレルモでサラセン(アラブ系)人から黄金の財宝を奪うことを許されたピサは、その資金によってドゥオモを含めた広場の建築へとつながりました。

ドゥオモ(大聖堂)」は1118年に着工した白亜のどっしりとした外観が特徴のロマネスク様式を基本とします。以下の図面からもわかるように、ラテン十字架の形をしており、内部は、円柱が密に並ぶ五廊式。サラセンとの戦利品が使われているとされるためか、使用された円柱はイスラム様式のようです。

ユネスコ 世界遺産サイトより抜粋

斜塔として有名な「鐘楼」は少し遅く、1173年とされる円筒形8階層。脆弱な地盤によって、3層目を建築中に傾き始めたとされていたことから、当初の想定よりも低く完成することになったそうです。

そんなこともあって完成までに約200年を費やしました。

なお最上階は傾斜を変えることで、ここだけは傾かないように完成したそうですが、その後の地盤沈下によって、結局は現在最上階も傾いているそうです。

完成まで同じように200年近くかかったのが「洗礼堂」。ドゥオモの入口の対面に位置する、直径35mもの大きな円筒形の建物。ドゥオモと同様、白亜の大理石で造られていますが、建築当初はロマネスク様式だったものの、上層部は装飾も華美で尖った外装をもつゴシック様式に変更されています。

ピサのドゥオモ広場は「奇跡の広場」を意味し、その意味の通り、傾いてもなお倒壊せずに残る姿は奇跡のようです。

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