ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター大寺院及び聖マーガレット教会(イギリス)

2005年撮影

Palace of Westminster and Westminster Abbey including Saint Margaret’s Church (United Kingdom)  OUV(i)(ii)(iv)

1987年世界遺産登録 2008年範囲変更

■ゴシック建築のリバイバル

ロンドンも京都のように町全体が世界遺産ではなく、点在する建築が世界遺産に登録されています。当該遺産は名前の通り、主に3つの建築となりますが、いずれもイギリス王室の歴史を残すものです。

<ウェストミンスター宮殿>

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16世紀にホワイトホールに王宮を移すまでは主要な住居として使われていました。その後は国会議事堂として使用されていますが、特に有名なのは併設されている時計塔(通称ビッグベン)。

これらは1834年の火災によって多くが焼失してしまいます。1860年に完成したときには、新たにゴシック・リヴァイヴァル様式の建築に生まれ変わりました。この様式は中世に流行したゴシック様式の復興という形で18-19世紀にかけて興った様式です。

テムズ川に沿って建築されているため、錆やすく、2017年より改修工事が進められています。

改修工事によって時計塔は鐘が鳴らなくなっており、そして170年以上触れられてこなかったヴェールが剝がされたことによって、時計の文字盤は黒ではなく、紺青色であったことが判明したそうです。2021年現在、少しずつ時計塔を覆っていたハシゴが撤去され、紺青色の文字盤の時計が姿を現しています。

英ビッグベン、時計の針が再び紺青に 改修完了に一歩(ロイター) – Yahoo!ニュース

<ウェストミンスター・アビー(寺院)>

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私が行ったときはちょうどイースターの時期に当たっており、内部へ入場することができなかったので非常に悔やまれたのを覚えています。主に国王の戴冠式が行われてきた、イギリス国教会の教会です。また映画「ダヴィンチ・コード」でも登場しましたが、アイザック・ニュートンをはじめとして科学者や詩人、政治家など多くの著名人が埋葬されています。

建築としては11世紀のエドワード懺悔王の命により建設されたゴシック様式を基本としていますが、時代によって改装・増改改築されているため、様々な様式が混ざっています。

<セントマーガレット教会>

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こちらは上記2つの建築に比べると非常に小さく簡素なイメージを持ちますが、これも12世紀頃に建てられてたイギリス国教会の教会です。もともと地元の人々が礼拝するために造られたので、簡素な形をしていますが、その後ウェストミンスター寺院の教会区に組み込まれました。

建物全体はドーセット州でとれるポートランド・ストーンという石灰岩で造られているそうです。

ドーセットと言えば、ジュラシックコーストなどの世界遺産を含むエリアが存在します。

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