Roman Monuments, Cathedral of St Peter and Church of Our Lady in Trier ( Germany ) OUV(i)(iii)(iv)(vi)
1986年世界遺産登録
■ドイツに残るローマ遺構と墓標
フランスの「オランジュ」のように現在多国に残るローマ遺構の一つです。ここドイツ、トリーアに8件、近郊の地方自治イゲルに1件、計9件が世界遺産に登録されています。
この辺りはかつてローマ時代にガリアと呼ばれる主要都市として栄えました。他の国の遺構同様、円形劇場や浴場、門などの他に、中世に建てられた大聖堂も含まれています。
①ポルタ・ニグラ
トップ画像のポルタ・ニグラ(黒い門の意味)は、南側の写真ですが、北川には半円柱の形をした2つの塔を、長方形の建築が真ん中で繋げたような独特の建築です。重厚で窓の小さいローマ建築は2世紀に造られましたが、中世に一度増改築され、教会として機能していました。
時代が古くて少しいびつな形になっていますが、その独特の建築は傑作として登録基準(ⅰ)の評価に値しました。
②トリーア大聖堂(聖ペトロ聖堂)と③聖母マリア教会
写真左が聖ペトロ聖堂、ドイツで現存する最古のものとされます。
重厚な壁にトンガリ屋根・小さな窓やアーチといったロマネスク様式が見られますが、中に入ると高さを意識したヴォールト天井のゴシック様式、そしてドーム天井のバロック様式の特徴も見て取れるそうです。それには時代とともに何度も増改築され、新しい部分は12世紀頃に造られたそうです。
隣接する写真右が聖母マリア教会。比べるとバラ窓があり、ステンドグラスの高さのある窓が特徴の、ゴシック様式の特徴が見て取れます。こちらは13世紀頃に造られた比較的新しい建築ですが、当時フランスで流行したゴシックを取り入れ、フランス以外でその特徴を表現できている点が評価されました。
その他④円形劇場⑤バルバラの浴場⑥皇帝浴場⑦バシリカ⑧モーゼル橋など2世紀頃に建築されたローマ時代の遺構が世界遺産に登録されています。
また⑨郊外のイゲルにある角柱はあまり他では見ないモニュメントです。四角柱の30mほどの、オベリスクのような形をしています。これはこの辺り出身の呉服商セカンディニー一家の墓標であるそうですが、ミラノやボルドー、リヨンなどと交易によって町に富をもたらしたことが証拠として残る記念碑として世界遺産に登録されたようです。
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