※アイキャッチ画像は「Siggy NowakによるPixabayからの画像」
Roman Theatre and its Surroundings and the “Triumphal Arch” of Orange ( France ) OUV(iii)(vi)
1981年世界遺産登録 2007年軽微な範囲変更
■2,000年経っても現役で使われるローマ劇場
英語表記ではオレンジと発音する、フランス、プロヴァンス地方。ここは紀元前1世紀、ローマの軍人カエサルが支配下におさめて建設した植民都市でした。
世界遺産に登録されているのは、この時代の建築含めた2か所で、一つは「ローマ劇場」、もう一つが「凱旋門」です。世界遺産条約ができて早い段階で登録されたので、当時は保存のためのゾーニングがされておらず(ゾーニング・MAB計画についてはコチラ)、2007年に緩衝地域を設置することになりました。
「ローマ劇場」はヨーロッパやアフリカ各地にありますが、特にオランジュのものは保存状態がよく、音響効果も優れているそうです。特徴的なのは巨石を積み上げた背後の石壁。
カエサルのあと、初代皇帝アウグストゥスの時代に建造されたようなので、約2,000年に渡って存在しており、現在も毎年夏には国際的なオペラ公演が行われているそうです!
収容人数はなんと10,000人。伝統的なローマ演劇法を忠実に守った演出法が受け継がれており、遺跡を存分に活かしたスペクタクルを開催しています。
一方の「凱旋門」も各地にあり、ここは大きさこそパリのエトワール凱旋門(世界遺産ではありませんが)に及ばないものの、装飾は2,000年前とは思えない精巧な作りです。写真では小さいですが、柱頭に葉飾りをつけた古代ギリシャ・コリント式の柱が四本見えます。
フランスにありながら古代ローマの歴史を感じる貴重な遺構です。
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