アテネのアクロポリス(ギリシャ)

提供写真

Acropolis, Athens (Greece)  OUV (i)(ii)(iii)(iv)(vi)

1987年世界遺産登録

■女神アテナに捧げた神殿とその丘

古代ギリシャ神話には、オリンポスの12神と言われる12の神様が登場します。

神話によると、12のうちの「海の神ポセイドン」「戦いと知恵の神アテナ」どちらがこの地の守護神にふさわしいのか、戦いをしたそうです。

神々の戦いと聞くと壮絶なものを想像しますが・・

まずポセイドンは持っている三又の矛で岩を突き、海水を噴出!

一方のアテナは持っている杖で大地を突き・・・オリーブの木を生やした

というもの。

なんだか拍子抜けした内容ですが、これを見た民は、飲めない水を出す神よりも生活に実りを与えてくれるアテナを選んだそうです。この地ではオリーブが採れますので、あながち作り話ではないのかも。

そんな女神アテナに捧げた神殿がパルテノン神殿であり、UNESCOのロゴにも起用されている、文化財の象徴ともいえる建造物です。

■ギリシャ建築の最高傑作

パルテノン神殿は紀元前5世紀頃に建てられたとされており、重厚なドーリア式と呼ばれる列柱建築の最高傑作。この列柱は正面と後ろに8本ずつ、側面に17本ずつ柱が立っており、各柱の高さは10m、下部の直径は約2mもあります。

柱の配置や長さの比、さらに柱そのものも中心部が膨らむことで、より高さを演出する効果を狙ったり、柱の立つ基壇は外に行くほど低くなることで、より大きくみせる効果を狙ったり、錯覚もふくめた工夫がされています。

柱はオーダー、三角形の屋根に当たる部分はペディメントと呼ばれ、この組み合わせはのちにローマ式、ビザンツ式、バロック式・・へと時代とともに変遷していきます。

提供写真 2006年撮影:エレクテイオン神殿

イオニア式列柱の最高傑作とされるエレクテイオン神殿は、6体の婦人像(カリアティード)が彫られた柱を持ちます。

これら素晴らしい建築は石灰岩の一種である大理石で造られていますが、幾度も破壊されており、修復も繰り返されています。1990年代の修理には鉄やセメントが使われるなどしたため、錆びることで金属が膨張し、亀裂が走るなどの問題もあがりました。

古い建造物を保存するには、その保存方法もしっかりしないと世界遺産としても価値が低下してしまうのです。

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