マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園(イタリア)

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The Sassi and the Park of the Rupestrian Churches of Matera (Italy)  OUV (ⅲ)(iv)(v)

1993年世界遺産登録

■世界遺産に登録されたことで改善された環境

世界遺産に登録されると、観光客による観光公害によって、遺産としての価値を傷つけられるケースも多い中、ここマテーラにとっては改善された点もあります。

石灰岩の岩盤でできたこの地は、その性質から加工しやすかったため、7,000年も前から岩山を削って住んでいたとされています。石のことをイタリア語ではサッソと呼び、複数形がサッシ。そこから洞窟住居をも意味するような呼称に代わっていきます。

8~13世紀にはこのサッシに居住する人々が増え、キリスト教徒たちが定住してきたとされています。20世紀にはいると住居も所せましと増築され、いつの間にか水や空気の流れの悪い、劣悪な環境になっていきました。

特にこの地域は農作物を育てるための家畜を洞窟内に飼育していたり、トイレは寝室と共存であったりと、衛生面には課題があったため、環境改善のために一時政府によって無人の廃墟にまでなったようです。

しかし状況が改善され、ユネスコ世界遺産に登録されると、再び脚光を浴びて町に人が戻ってくることになりました。

中国の麗江の旧市街と似たようなこの再生の物語は、世界遺産の意味を改めて考えさせてくれます。

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