カールズバッド洞窟群国立公園(アメリカ)

Martin StrによるPixabayからの画像 カールズバッド

※アイキャッチ画像は「Martin StrによるPixabayからの画像」

Carlsbad Caverns National Park ( United states of America ) OUV(vii)(viii)

1995年世界遺産登録

■天然の硫酸によって爆発的に広がったとされる地下鍾乳洞の世界

ニューメキシコ州南東部にあるカールズバッド洞窟国立公園が世界遺産に登録されています。

2022年8月現在では、アメリカの世界遺産のうち約半数が国立公園ですが、その中で国立公園としては最新の登録物件の一つ(もう1件同時登録)に当たります。なお、アメリカで一番最初の国立公園は「イエローストーン国立公園」で、これは世界遺産としても一番最初の12件のうちの1件に当たります。

さてカールズバッド洞窟国立公園の名の通り、特徴的なのは2.5億年も前から続く地層が変化してできた、様々な洞窟で、確認されただけでも81の洞窟が存在します。その多くが石灰岩が溶けてできた鍾乳洞。

この大昔の地層が200万年前あたりに隆起し、風雨によって浸食されやすい石灰の大地は削られ、染みた雨水が溜まり、流れることで空洞が生まれていきました。しかしこの国立公園の場合、石灰のさらに下層に存在した地層から硫化水素ガスが発生しやすく、これが地下洞窟の水と反応して硫酸となり、さらに石灰質の溶解を加速させたともされているようです。

こうしてできた広大な洞窟にさらに雨水が染みこむことで、石筍ストローのような鍾乳管、壁面が滑らかに溶けたカーテンのようなものを形成していったのが約50万年前だそうです。

なかでもレチュグラ洞窟は、規模の大きさと鍾乳石が織りなす形の豊富さ、多様性、美しさで際だっていて、地質学的過程を観察できる、さながら「地下実験室」として世界遺産登録の評価につながっています。この洞窟内の最大の空洞が「ビッグルーム」、なんとサッカー場14面もの広さを持つそうです。

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