ツィンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区(マダガスカル)

shell300によるPixabayからの画像

※アイキャッチ画像は「shell300によるPixabayからの画像」

Tsingy de Bemaraha Strict Nature Reserve ( Madagascar ) OUV(vii)(x)

1990年 世界遺産登録

■鋭く磨かれたナイフの山

マダガスカル島西側に広がるカルスト台地(石灰岩の大地)。ここは多国のカルスト台地と様相が異なり、まるで研いだナイフのような奇岩が連なっています。

石灰岩の大地は長い年月で風雨によって浸食され、このような形となりました。さらに特徴的なのは、これらの尖塔群が大地に水平に切られ、まるで中空に浮いているように見える点です。

この特殊な環境では動物は歩くことができず、植物も限られたものしか生育できません。そんな環境でも足や尻尾を使い、まるで森林のように駆け巡る動物がいます、それがマダガスカルに分布するキツネザルベローシファカという名の霊長類です。ベローシファカは10mの距離も飛べるとも言われており、横跳びが可能で、ナイフのような先端がとがっていても大丈夫。

キツネザルもベローシファカもIUCNの指定する絶滅危惧種に含まれており、その点も世界遺産登録の評価基準の1つになりました。

植物相も特殊ですが、現在マダガスカルの森は、名前からするイメージとはかけ離れ、森林は国土の8%程度にすぎません。農地開拓によって原生林が奪われ、さらにコロナによって都市部を離れた人々が住み着くことで、伐採が加速している課題を持っています。

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