Historic Centre of Rome, the Properties of the Holy See in that City Enjoying Extraterritorial Rights and San Paolo Fuori le Mura (Italy) OUV (i)(ii)(iii)(iv)(vi)
1980年世界遺産登録 1990年範囲拡大
■オオカミに育てられた双子の伝説から始まる長い歴史
ギリシャ神話に登場する英雄の子孫である双子は、幼い頃に親の権力争いに巻き込まれ、川に流されてしまいます。そんな彼らを助け育てたのが、オオカミだったという、ターザンのような伝説から、ローマの歴史は始まったとされます。
この双子の兄、ロムルスの名前から、ローマという地名になったとされます。ロムルスはその後、この地の王となり、ローマを率いていきますが、彼らを育てたオオカミは、カピトリーノ美術館で銅像を見ることができます。
またこのローマ建国神話に登場する、ロムルスが建国したとされる場所が、7つの丘の一つ、パラティーノの丘であり、すぐ近くにはフォロロマーノの広場が位置します。
■構成資産
ローマの歴史地区は、京都の文化財と異なり、城壁に囲まれたエリア全体が世界遺産に登録されています。また、1990年には教皇領holy seeと、サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂も拡大登録されました。
ローマの世界遺産範囲map
https://whc.unesco.org/en/list/91/multiple=1&unique_number=2114
■フォロロマーノ
ローマ市民の広場を意味する古代ローマ時代の始まりの場所ともされます。諸説ありますが、先のローマ建国神話が紀元前750年頃とすると、紀元後5世紀の西ローマ滅亡まで長らくローマ帝国の中心であった場所です。19世紀になって遺跡発掘調査が本格化し、今ではすっかり観光名所になりました。
ローマの歴史はここから始まり、今なお中心であり続けているのですね。
■コロッセウム
世界最大の円形闘技場。剣闘士の戦いは、あの映画グラディエーターでもモデルとして再現されました。この時代に人力のエレベーターが使われていたそうです。外壁は4層になっており、下から3つはドーリア式、イオニア式、コリント式と時代によって変化した、ギリシャ式列柱を見ることができます。
建築詳細は下記コラムも参照ください。
■サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会
かつて天使(アンジェリ)に捧げられた礼拝堂があったが、1561年ミケランジェロの設計で増築されました。古代のディオクレティアヌスの浴場跡を利用して造ったものでもあり、ミケランジェロの晩年の作でもあります。