バイカル湖(ロシア)

spab888によるPixabayからの画像 バイカル湖

※アイキャッチ画像は版権フリー「spab888によるPixabayからの画像」 

Lake Baikal (Russian Federation)  OUV(vii)(viii)(ix)(x)

1996年世界遺産登録

■世界最古、最深、最大貯水量、透明度も世界一!のグランドスラム湖

バイカル湖の水深(1741m)は世界一で、二位はアフリカのタンガニイカ湖。私もこの湖のシクリッドと呼ばれるカワスズメ科のDNA解析をしたことがあり、湖の知識もありますが、二位でも水深は1471mです。三位はカスピ海で水深が1025mだそうです。

そしてバイカル湖の湖底には約2500万年前の堆積層が見られることから、世界で最も古い起源をもつとされています。二位のタンガニイカ湖は約2000万年前、カスピ海は約550万年前だそうです。

貯水量が最も多いのは水深と、湖から流れ出る河川はアンガラ川のみである点にも起因しています。川が一つという孤立した状況に近いため、普段海水で生息するアザラシ(バイカルアザラシ)が、ここでは淡水である湖で生息するという、独自の進化を遂げました。

※余談ですがタンガニイカ湖は完全に孤立した湖のため、その中でシクリッドが種分化した原因をDNA解析によって明らかにしようという研究をしていました。

Наталья КоллеговаによるPixabayからの画像

バイカル湖の面積は世界一ではありませんが、それでも琵琶湖の47倍を誇ります。そしてそんな湖でも、2~4月の冬の間は、全面が氷になるというのですから驚きです。

海綿等の浄化作用によって高い透明度を持つため、その氷もとても美しいのだとか。

また湖岸一帯は見事なタイガに覆われ、クロテン、シベリア赤シカなど貴重な動物の生息地になっている点も評価されました。

このように、自然の美しさ・地質学的・生態系・希少性の高い動物などの評価から、自然遺産としての登録基準4つすべてを持ち合わせた世界遺産となりました。色んな意味でのグランドスラム達成湖ですね。

つい先日のニュースで、シベリア鉄道の拡大に伴う工事により、近隣の森林を伐採する法案が可決されました。森林も含めた評価であったことと、工事によって保護区域指定が無くなる懸念から、世界遺産としての再評価が必要になるかもしれません。

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