ヴェルヘルムスヘーエ城公園(ドイツ)

Andreas LischkaによるPixabayからの画像 ヴィルヘルムスヘーエ

※アイキャッチ画像は「Andreas LischkaによるPixabayからの画像」

Bergpark Wilhelmshöhe ( Germany ) OUV(iii)(iv)

2013年世界遺産登録 

■街は近代的に変わっても、昔から変わらない公園がある。

ドイツの中央部ヘッセン州の町カッセルにおいて、森に囲まれた丘陵に広がるバロック庭園、ヴィルヘルムスヘーエ城公園が世界遺産に登録されています。

カッセルの町は「ドイツ・メルヘン街道の首都」とも呼ばれ、グリム兄弟がその生涯の大半を過ごした町として有名です。フルダ川や、これに流れ込む支流や小川が流れ、緑豊かな丘陵を形成していますが、歴史的には第二次世界大戦時に歴史的な建築の多くが破壊され、復興後は新しい都市景観計画に基づき建設されたため、多くが1950年以降の建築となっているようです。

その中でもヴィルヘルムスヘーエ城公園は、カール伯爵によって1689年から建設が開始された歴史ある壮麗な公園です。

16世紀、ヴィルヘルム 方伯は宮廷をカッセルに置いたことから、この地域はヘッセン=カッセル方伯領と呼ばれることになり、カルヴァン派の宗教拠点としても栄えました。息子のカールはバロック建築を好み、街を大規模なバロック建築プロジェクトとして変えていきました。

第二次世界大戦を経て残るヴィルヘルムスヘーエ城、レーヴェンブルク城、この街の象徴的建造物であるヘルクレスといった建築、そして幾何学的なバロック庭園ですが、その後一部は自然風景に近いイギリス風の庭園に変えられています。

庭園は噴水や渓流、滝などの水を利用した芸術的な造形とデザインが特徴で、その水の表現は他に例を見ないユニークなもの。高さ50mの噴水は機械を使わず、高低差を利用した自然の力、位置エネルギーで演出されます。

頂上にそびえるヘラクレス像は、近代初期の巨大彫刻として技術的・芸術的に最も優れているといわれます。そしてアイキャッチ画像のように、ヘラクレス像のすぐ下には人口の階段状の滝が350m続き、その景色は見事としか言いようがありません。

人工的に自然風景に作り上げた、水路橋や石柱による岩場の演出など、日本の枯山水にも近しいものがあるのかも知れません。

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