サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミーノ・フランセスとスペイン北部の巡礼路群(スペイン)

lailabrocker0によるPixabayからの画像 サンティアゴ巡礼路

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Routes of Santiago de Compostela: Camino Francés and Routes of Northern Spain (Spain)  OUV (ii)(iv)(vi)

1993年世界遺産登録 2015範囲拡大

ブエン・カミーノ(よい巡礼を)!

フランスから続く世界遺産としての4つの主な巡礼路も、スペインで1本になり、最終目的地スペイン北西部に位置する聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラにつながります。

ここはエルサレム・ローマのヴァティカンと並んで三大聖地とされ、聖ヤコブの聖遺物が流れ着いた場所であり、また墓が見つかった場所ともされています。

ヤコブは漁師の子であったからか、遺骸の流れ着いた場所がスペイン最西のフィニステレ岬だったからか、はたまたこの地方はホタテ貝の名産地であったことに起因する説等もありますが、巡礼者のシンボルで道しるべになっているのはホタテ貝

これとヒョウタン(水筒)は三種の神器と言われ、古来から巡礼者の最低装備になっているようです。

世界遺産としてはフランスから続く道も登録されていて、それぞれ個別に登録されています(フランスの巡礼路はコチラ)。フランス側は主に4ルートから成りますが、スペイン国内も複数の巡礼路からなっています。またフランス側の構成物件は78件、スペインは20件です。

2015年には、それまでの内陸ルートに新たに海岸沿いのルートが追加され、同時に名称も変更さました。

■北の道(約800km)= 海岸沿いルート

カンタブリア海に面する北スペインの主要な町を通る道です。 バスク州のイルンからスタートし、サン・セバスティアンやビルバオを通って、西へ向かい、カンタブリア州のサンタンデールやアストゥリアス州のヒホンを訪れます。ヒホンからガリシア州へ向かい、サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指します。

ビルバオには世界遺産「ビスカヤ橋」、サンタンデール近郊には世界遺産「アルタミラの洞窟」、オビエドでは世界遺産「アストゥリアス王国とオビエドの宗教建築物群」、 そして20件の構成資産のうちの一つ”ルーゴの大聖堂”が含まれるルーゴの街には世界遺産「ルーゴのローマの城壁群」のように、同じルートで別々の世界遺産に触れることができる道です。

なおヒホンの町に到着した巡礼者は、 オビエドへ向かうか、引き続き北の道を歩くためにアビレス(Aviles)へ進むか巡礼ルートの選択をすることができます。

simmering_propによるPixabayからの画像 ビスカヤと世界遺産「ビスカヤ橋」
bastiariusによるPixabayからの画像 ルーゴと世界遺産「ルーゴのローマ城壁群」

■古代の道(約300km)

一番短いルートで、9世紀に聖ヤコブの墓が発見された際、国王アルフォンソ2世がそこを訪れるために使った道を辿るルートです。オビエド市を出発しアストゥリアスの森や谷を越えた後、パラス・デ・レイでフランスの道と合流します。

■フランスの道(約800km)= 内陸ルート

フランスから続く内陸ルートで、サンティアゴ巡礼路で最も人気のルート。スペイン国内ではパンプローナから、ブルゴス、レオン、を通るルートです。

ブルゴスの街には世界遺産「ブルゴスの大聖堂」、またその近郊には世界遺産「アタプエルカの考古遺跡群」があります。

rubns28によるPixabayからの画像 ブルゴスと世界遺産「ブルゴスの大聖堂」

■巡礼の終点、フィニステレ岬とムシアの海岸

巡礼は世界遺産「サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂」を目的とされることがほとんどだそうですが、一方で少し西に行くと、冒頭で記載したヤコブの遺骸が流れ着いたとされる「フィニステレ岬」にたどり着きます。

また、その近くには聖母マリアがヤコブのためにやってきたとされる「ムシアの海岸」があり、いずれも世界遺産ではありませんが、巡礼最果ての地ともいわれています。

海に始まる物語の終点が海というのも、とてもロマンのある道だと思います。

jacqueline macouによるPixabayからの画像 フィニステレ岬

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