ウルル・カタジュタ国立公園(オーストラリア)

Uluru-Kata Tjuta National Park (Australia)  OUV (ⅴ)(ⅵ)(ⅶ)(ⅷ)

1987年(自然)遺産登録 1994年(複合)遺産に変更

■アボリジニの聖地

オーストラリア中部の国立公園内には、世界最大級の一枚岩ウルル(エアーズロック)と、ドーム型の奇岩群カタジュタ(マウントオルガ)がそびえている。()内はイギリス植民地後の呼称で、()外がアボリジニの発音(文字を持たないため)。

約170の鳥類や、トカゲ類などが生息し、植物はマメ科のアップサイドダウンスプラウト、マツバボタンの一種のパラキーヤなどが自生し、特にウルルの世界最大級の一枚岩は約5億年も前の地層が隆起してできたとされ、1987年 自然遺産として登録。

一方先住民族アボリジニの部族アナングにとって、日本語にいうと「聖地」に近い意味合いであり、周辺に彼らの神話や生活が描かれた壁画が残されており、文化的観点から94年に複合遺産として再登録された。

現地ガイドによると、近年、アボリジニは20000年以上前からこの地域で暮らし、大地とともに生活してきたカントリー(=故郷に近い意味)としてのウルルが、日本人をはじめとして登山などによって観光地化されることを嫌ってきました。

■登録範囲

<共通事項>

ウルルとカタジュタを結ぶ東西に長方形に囲んだ範囲が登録されています。ホテルリゾートエリアや空港は範囲には含まれません。ウルルの伝統を今に伝えるアナング族は、世界の始まりに祖先がこの景観を創造したと信じ、太古の昔から聖地を守ってきました。

<Uluru>Ayers Rock

2018年撮影 ウルル(エアーズロック)

厳しい環境にもかかわらず、ウルル・カタ・ジュタ国立公園にはさまざまな動物、鳥類、珍しい植物が生息しているようです(170種以上の鳥類、カンガルー、エミュー、ディンゴ、ワラビーなど)。 動物や植物はウルルの創世神話(ドリームタイム)における重要な要素でもあるそうです。マラ・ウォーク(Mala Walk)、クニヤ・ウォーク(Kuniya Walk)と呼ばれる麓散策が観光で可能です。なお2019年10月26日にビチャンチャチャラと政府との登山禁止の取り決めを適用し、全面的に登山禁止となりました。

<Kata tjuta>Mt.Olga

2018年撮影 カタジュタ(マウントオルガ)ウォルパ渓谷

カタ・ジュタは36のドーム状の岩から成り、これらの岩が20km以上に渡って広がっています。最高峰はマウントオルガ、探検家アーネスト・ジャイルズにより、ヴュルテンベルクのオルガ女王に敬意を表して名付けられたとされます。観光では「風の谷」「ウォルパ渓谷」など一部のみ散策が可能で、大半が写真撮影も禁止されていて、風の谷はナウシカのモデルになったとも!

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