ラリベラの岩窟教会群(エチオピア)

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※アイキャッチ画像は版権フリー「HeissによるPixabayからの画像」

Rock-Hewn Churches, Lalibela ( Ethiopia ) OUV(i)(ii)(iii)

1978年世界遺産登録

■サハラ以南で最も歴史の古いキリスト教国に、なんと岩をくり抜いた聖堂!

エチオピア北東部に位置するラリベラにはアビシニア正教会(現在エチオピア正教会と呼称)の教会群が残ります。

アフリカは植民地化によってキリスト教が浸透していった国は多くありますが、ここはもっと古く、4世紀にまでさかのぼる、国民にとって最大の宗教となりました。

ラリベラより南方にはアクスムという町(考古遺跡が別の世界遺産)があり、この町は紀元前より興ったアクスム王国が栄えた場所でした。この王国は対イスラムとして東ローマ帝国と同盟を結んでおり、コプト教の伝播から、333年にはキリスト教を国教とします。

以来エチオピアではアクスムを中心に独自の信仰を生み、今ではエチオピア正教と呼ばれるようになりました。

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アクスム王国が滅んだあと、エチオピア帝国では12世紀頃にサグウェ朝が興ります。最盛期は13世紀のラリベラ王の時代。彼は第二のエルサレムをつくりたいとし、彼の時代にラリベラに岩をくりぬいた教会群を数多く造られたそうです。

世界遺産に登録されているのは、エマヌエル教会、ルクリウス教会、ゴルゴダ・ミカエル教会、聖マリア教会など11件で、現在も信仰生活の拠点となっています。

中でも有名なのは「聖ゲオルギオス(Georgios)大聖堂」で、凝灰岩の大地をくり抜いて十字型の建築を作り上げたもので、世界に類を見ない教会となりました。なお聖ゲオルギオスはキリストにおける聖人の一人で、イングランド国旗のような白地に赤の十字(Saint George’s Cross)がシンボルマークになっています。

ラリベラの教会群は、最初に登録された世界遺産12件コチラを参照ください)のうちの一つです。それだけ世界遺産としての歴史も古いため、緩衝地域コチラを参照ください)などの保護体制が細かく指定されていません。そんな保護管理がイマイチであったこともあり、現在この地域の地震や風化から守るために仮設の覆い屋根を作っている聖堂もありますが、逆に仮設であることから破損の恐れがあり、世界遺産委員会でも改善が議論されています。

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