タプタプアテア(フランス領ポリネシア)

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Taputapuātea ( France ) OUV(iii)(iv)(vi)

2017年世界遺産登録

■ソシエテ諸島における政治・葬祭・宗教上の中心地としての文化的景観

フランス領ポリネシアに含まれ、一般的にはタヒチとして観光客も多いソシエテ諸島。中でもボラボラ島はとくにハネムーンなどの人気観光地として、1週間で60万円前後の旅行代金にもなる高級リゾートとしても知られています。

世界遺産に登録されたのはライアテア島という、観光地としてはあまり知られていない島。ここはポリネシア人最初の定住地とされていて、「タプタプアテア」とはライアテア島における自治区を指します。そしてタプタプアテアはソシエテ諸島において最も古い首長国の政権所在地であったそうです。

もう一つこの遺産を捉える上で重要なのが「マラエ」、つまり信仰・社会施設、祭祀場です。

タプタプアテアは、14 世紀から 18 世紀にかけてこの地域のポリネシア人により作られたマラエの卓越した見本である点が評価されました(登録基準ⅳ、ⅵ)。マラエは、現世と先祖たちの世界とが交わる場所としての役割があり、写真のように石を使った敷地が今も残っています。

遠く沖縄にも通ずるものがあるように感じます。

特にタプタプアテアのマラエの石は他の島に運ばれて同じ名前のマラエがつくられていきました。

ライアテア島は地図上では小さな島ですが、海岸部のマラエ群と、高地部の考古
遺跡群に大別され、高地部に住んでいた農民と、海岸近くに居住していた戦士、神職、王による社会構造が見て取れたり、カヌーを使って航海する技術があった文明が垣間見えます(登録基準ⅲ)。

また資産範囲は島だけではなく、サンゴ礁や沖合の海域の一部が含まれています。mapを見ると、サンゴ礁が途絶える箇所が1つあり、ここはタプタプアテアの玄関口の機能を担っていて、ポリネシアの他の島に行き来するための航路となっているそうです(テ・アヴァ・モーア=聖なる路)。

こうした文化によって景観が造られていった文化的景観としても評価されています。

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