登録基準(ⅱ)

文化遺産

レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院(イタリア)

■浸食や爆撃からも免れた奇跡の壁画 ミラノにあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会。この教会のかつて食堂だった壁には、レオナルド・ダ・ヴィンチが15世紀末に描いた『最後の晩餐』のフレスコ画が残っています。隣接するドメニコ会修道院と共に、世界遺産に登録されています。
文化遺産

歴史的城塞都市カルカッソンヌ(フランス)

■歴史の変遷と修復活動により今なお残る中世の城塞都市 フランス南部、スペインにほど近いカルカッソンヌ地方には、全長約3kmの二重の城壁に囲まれた城塞都市があります。ローマ時代から続く増改築と修復を繰り返し、なお今残る城壁と内部が世界遺産に登録されています。
登録基準(ⅰ)

メテオラ(ギリシャ)

Meteora (Greece) OUV (i)(ii)(iv)(v)(vii) 1988年世界遺産登録 ■今も修道士が暮らす、絶壁の奇岩の上の修道院群 ギリシア中部、テッサリア地方には、明らかに不自然な位置に修道院が建っています。垂直に切り立った岩塊群の頂きに築かれているのです。 ここは石灰岩の大地が風雨で削られ、残った固い岩盤が奇岩となって現れた、他には見られない自然景観があります(登録基準ⅶ...read more
登録基準(ⅰ)

アトス山(ギリシャ)

■厳格なギリシャ正教の聖地。女人禁制は動物にも!? ギリシャ、エーゲ海に突出した爪のような形の3つの半島のうちの一つは、山地が多く断崖絶壁を形成し、アトス山と呼ばれます。ここはギリシャでありながら、ヴァティカンのよう宗教自治国家に近い、ギリシャ唯一自治が認められている地域です。
危機遺産

エルサレムの旧市街とその城壁群(エルサレム ヨルダンによる申請)

■小さな区画にユダヤ・キリスト・アルメニア・イスラムと多宗教が暮らす街 エルサレム地区の旧市街は、約1km四方の城壁に囲まれており、城壁含めた全体が世界遺産になっています。この狭い城壁内は、ユダヤ教徒、キリスト教徒、アルメニア教徒、そしてイスラム教徒の4つのエリアと、どこにも属さない嘆きの壁に囲まれたエリアで区分けされているのです。
文化遺産

ブハラ歴史地区(ウズベキスタン)

■ムスリムによって聖なるブハラと呼ばれる街 シルクロードの途上に位置するブハラは、2000 年以上の古い歴史をもつ都市です。紀元前からペルシア帝国の影響をうけ、8世紀頃にはイスラムの支配下に変わり、サマルカンドに代わって中心都市になった時代もあり、19世紀以降はロシアの影響を受け、ウズベキスタンの一都市へと変わっていきます。
文化遺産

ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター大寺院及び聖マーガレット教会(イギリス)

Palace of Westminster and Westminster Abbey including Saint Margaret’s Church (United Kingdom)  OUV(i)(ii)(iv) 1987年世界遺産登録 2008年範囲変更 ■ゴシック建築のリバイバル ロンドンも京都のように町全体が世界遺産ではなく、点在する建築が世界遺産に登録されています。当該遺産は名前の...read more
文化的景観

シントラの文化的景観(ポルトガル)

■人工の建築や森が生み出した独特な景観 リスボンに隣接するシントラは、山や森に囲まれた広大なエリアに、古くはムーア(モーロ)人の城壁から、19世紀に建築された宮殿や城、それらを取り巻く公園や庭園で彩られた独特の景観をもち、その全体を通して世界遺産に登録されています。
文化遺産

メキシコ・シティ歴史地区とソチミルコ(メキシコ)

■かつて確かに存在したアステカ文明とその上に気づいたスペイン文化の融合 構成資産はメキシコシティの歴史地区エリアと、ソチミルコの3エリア、計4エリアが含まれます。歴史地区エリアはソカロと呼ばれる憲法広場を中心としており、スペイン植民地化以前の遺跡と共に、ゴシック、ルネサンス、バロックなどの建築様式が入り交じった大聖堂、宮殿などが残されています。以前とは、かつてこの地域一帯で栄えていた、アステカ文明による首都があったことに由来します。
文化遺産

ワルシャワ歴史地区(ポーランド)

■住民の手で見事復興を成し遂げた街 ワルシャワは第二次世界大戦で激しい損傷を負い、一度街の8割以上が瓦礫と化したものの、ワルシャワ市民たちは旧市街の街並を昔の姿のままに再建することを決意し、成し遂げた、類まれなる歴史を持ちます。世界遺産の中でも「復興」という名の修復を行ったことへの価値評価で意見が割れた遺産となりました。
文化遺産

ブリュージュ歴史地区(ベルギー)

■運河が張り巡らされた中世ハンザ都市 ベルギーの北部に位置するブリュージュ(ブルッヘ)は、小さな世界遺産エリアの中に3つの世界遺産を包含する歴史地区です。円形の歴史地区エリアとして1つ、その中に含まれる”鐘楼”が世界遺産「ベルギーとフランスの鐘楼群に含まれる鐘楼」として別に1つ、そしてもう1つはエリアに含まれる”ベギン会院”が世界遺産「フランドル地方のベギン会修道院群に含まれるベギン会修道院」として。
文化遺産

古代都市ウシュマル(メキシコ)

■雨神チャックを祀る、側面が丸みを帯びたピラミッド ユカタン半島北部に700年ごろ建設され、政治的中心地の一つであった「ウシュマル」。世界遺産には他に「カバー」「サイール」「ラブナー」の計4遺跡がまとめて「古代都市ウシュマル」として登録されています。これらは世界遺産「チェチェンイッツァ」と同様、マヤ文明の遺構で、その中でも比較的保存状態が良いものとされていますが、一方で文字を持たない文明なので不明点が多いようです。
文化遺産

フェス旧市街(モロッコ)

■町中にアンモニア臭・・モロッコのイスラム王朝最古の都市 モロッコ北部の都市フェスは、現在の首都ラバトに移るまで中心となって発展してきた街です。世界遺産には「エル・ジェディド(新フェズ)」と「エル・バリ」の2つのエリアに分かれて登録されています。
文化遺産

ギマランイス歴史地区(ポルトガル)

ポルトガル北部に位置する小さな町、ギマランイス。ここはかつてポルトガル王国繁栄を示す中心地ともなった場所です。
文化遺産

南漢山城(韓国)

■まるで万里の長城!李氏朝鮮時代の築城技術 南漢山城の築城には諸説あるようですが、15世紀初期の李氏朝鮮時代の太宗の時代に戦略的な拠点として強く認識されるようになり、続く4代目世宗によって国防対策として拡張されたそうです。しかしその後、文禄の役の際に改築、そして17世紀、丙子の役にて清との戦いで使用され、李氏朝鮮軍は籠城。結局城門を開いて降伏、城は放置されることとなります。その後現代でも使用されたことは記録にあるそうですが、そんな7~19世紀にかけて増改築を繰り返し、険しい南漢山の地形を利用した時代時代の築城技術が見られるという点が登録基準の(ⅳ)として評価されています。
文化遺産

莫高窟(中国)

■砂漠の中に佇む千仏洞とも言われる石 敦煌の南に広がる砂漠に、突如現れるオアシスのような一帯を中心に、断崖に掘られた490もの石窟が見つかりました。同じく世界遺産の「雲崗石窟」、「龍門洞窟」とともに中国三大石窟のひとつに数えられる、莫高窟です。世界遺産としては文化遺産の登録基準すべてを有しているのでとても希少性が高いのです。
文化遺産

歴史的城壁都市クエンカ(スペイン)

■断崖にそそり立つ「宙吊りの家」 コルドバの中心部に石灰岩の岩山とフカル川・ウエカル川に囲まれた峡谷があります。ここには石灰岩は加工しやすく、水もあり、ムーア人が防御地点として建設した要塞都市がありました。ムーア人とは主に北西アフリカから開拓したイスラム教徒を指し、9世紀頃にここクエンカに建設したとされます。
文化遺産

ザルツブルク市街の歴史地区(オーストリア)

■近世、音楽と芸術が栄えた宗教都市 オーストリア北西部の山と川に囲まれた自然豊かな地域に、中世から近世にかけてのバロック調の街並みが残る小さな町、ザルツブルク。現代の街としては小さいながらも、城塞から教会のような歴史的建築物だけでなく、ショッピング街も昔ながらの街並みを保持していて歩くだけでも美しい街でした。 世界遺産には一部のエリア、主に旧市街が登録されています。
文化遺産

ヴェルサイユの宮殿と庭園(フランス)

■宮殿と庭園、世界が憧れ模倣した、まさに世界一の宮殿 有名なパリ郊外に位置するヴェルサイユ宮殿は、世界遺産としてはその名の通り、「宮殿」と「庭園」が登録されています。広大な敷地でありつつ、緩衝地域はさらに広大です。マンサールやル・ヴォーなどの宮廷建築家、ル・ブランよる室内装飾、ル・ノートルによる造園。そしてマリーアントワネットの宮廷生活から逃避した田園風景など、歴史とロマンの大舞台です。
文化遺産

ルアン・パバンの町(ラオス)

■母なる水「メコン川」と山に囲まれた自然環境で独自に発展した文化 ラオス北部に流れるメコン川と、その支流であるナム・カーン川が発生している流域に広がる街がルアン・パバンです。周囲は川と山に挟まれて森が生い茂る東南アジア独特の雰囲気。この地域はブッダが旅の途中で休憩し、微笑みを浮かべた場所とされており、仏教において神聖視されていた場所とされています。中世になると、14世紀から「ランサン王国」の中心地として栄え、交易によって富をもたらしました。