登録基準(ⅲ)

文化遺産

トリーアのローマ遺跡群、聖ペテロ大聖堂及び聖母マリア教会(ドイツ)

■ドイツに残るローマ遺構と墓標 フランスの「オランジュ」のように現在多国に残るローマ遺構の一つです。ここドイツ、トリーアに8件、近郊の地方自治イゲルに1件、計9件が世界遺産に登録されています。この辺りはかつてローマ時代にガリアと呼ばれる主要都市として栄えました。他の国の遺構同様、円形劇場や浴場、門などの他に、中世に建てられた大聖堂も含まれています。
文化遺産

オランジュのローマ劇場とその周辺及び”凱旋門”(フランス)

■2,000年経っても現役で使われるローマ劇場 英語表記ではオレンジと発音する、フランス、プロヴァンス地方。ここは紀元前1世紀、ローマの軍人カエサルが支配下におさめて建設した植民都市でした。世界遺産に登録されているのは、この時代の建築含めた2か所で、一つは「ローマ劇場」、もう一つが「凱旋門」です。世界遺産条約ができて早い段階で登録されたので、当時は保存のためのゾーニングがされておらず、2007年に緩衝地域を設置することになりました。
文化遺産

福建の土楼(中国)

■まるでバームクーヘンのような建築 中国には中世の時代より、”土楼”と呼ばれる建築がありました。それは上から見ると円形や方形で、数階建て。建物の外側は暑い土壁で覆われ、窓は少なく外部からの侵入を防ぐように入り口は通常一つ。外敵から身を守るために狭間が設けられ、要塞のような機能も果たしました。特に福建省に現存するものが多く、点在する46棟が10のエリアに分かれて世界遺産に登録されています。
文化遺産

ラリベラの岩窟教会群(エチオピア)

■サハラ以南で最も歴史の古いキリスト教国に、なんと岩をくり抜いた聖堂! エチオピア北東部に位置するラリベラにはアビシニア正教会(現在エチオピア正教会と呼称)の教会群が残ります。アフリカは植民地化によってキリスト教が浸透していった国は多くありますが、ここはもっと古く、4世紀にまでさかのぼる、国民にとって最大の宗教となりました。またラリベラの教会群は、最初に登録された世界遺産12件のうちの一つです。
文化遺産

イスタンブール歴史地域(トルコ共和国)

Historic Areas of Istanbul (Turkey)  OUV (i)(ii)(iii)(iv) 1985年世界遺産登録 2017年軽微な変更 ■キリストとイスラムが共存する境界 トルコ最大の都市イスタンブールの歴史を紐解けば、古代ギリシャ時代はビザンティオン、ローマ時代にはコンスタンティノープルと改名し、東西分裂後のビザンツ帝国時代には首都機能となり、16世紀にはオスマントルコ...read more
文化遺産

富士山―信仰の対象と芸術の源泉(日本)

■美しい湖・泉から荘厳な神社や遺跡群まで総25件! 富士山は自然遺産でも、文化的景観でもなく、タイトルの通り富士信仰と芸術の源泉という文化的側面が世界遺産として認められました。 (ⅲ)古来より富士信仰を発達させ、芸術や自然と調和的な文化的伝統を生み出したことを伝える (ⅵ)富士山が古来、会がや文学などの題材や浮世絵を通してジャポニズムに代表される西洋の芸術にも影響を与えた
文化遺産

万里の長城(中国)

※アイキャッチ画像は版権フリー画像「My pictures are CC0 When doing composingsによるPixabayからの画像」 The Great Wall ( China ) OUV(i)(ii)(iii)(iv)(vi) 1987年世界遺産登録 ■宇宙から見える唯一の建造物とも比喩された長城 実際は幅の狭さから、宇宙から見えることは無いようですが、渤海湾沿岸からゴビ砂漠...read more
文化遺産

ナスカとフマナ平原の地上絵(ペルー)

※アイキャッチ画像は版権フリー画像「Monika NeumannによるPixabayからの画像」 Lines and Geoglyphs of Nasca and Palpa ( Peru ) OUV(i)(iii)(iv) 1994年世界遺産登録 ■その数700点以上!空から見てわかる地球規模の美術館。 首都リマから南、約450k㎡にわたって描かれた地上絵。紀元前500~後500年の間のものと推...read more
文化遺産

アテネのアクロポリス(ギリシャ)

Acropolis, Athens (Greece)  OUV (i)(ii)(iii)(iv)(vi) 1987年世界遺産登録 ■女神アテナに捧げた神殿とその丘 古代ギリシャ神話には、オリンポスの12神と言われる12の神様が登場します。 神話によると、12のうちの「海の神ポセイドン」と「戦いと知恵の神アテナ」どちらがこの地の守護神にふさわしいのか、戦いをしたそうです。 神々の戦いと聞くと壮絶なも...read more
文化遺産

ドゥブロヴニク旧市街(クロアチア)

Old City of Dubrovnik (Croatia)  OUV (i)(iii)(iv) 1979年世界遺産登録 1994年範囲拡大 2018年軽微な変更 ■ユネスコの建築基準のもとで再建された「アドリア海の真珠」 ジブリ映画「紅の豚」に登場するアドリア海の街並みのモデルにもなっているとも噂される、中世の城壁に囲まれた赤レンガの屋根と石畳が美しい街、ドゥブロヴニク。 その「アドリア海の真...read more
文化遺産

古都アユタヤ(タイ)

Historic City of Ayutthaya (Thailand)  OUV (ⅲ) 1991年世界遺産登録 ■400年栄えた「黄金の都」 タイの首都バンコクから北へ90km。そこにはチャオプラヤー川とその支流に囲まれたアユタヤ歴史公園があります。ここはかつてアンコール王朝を滅ぼしたアユタヤ王朝の繁栄の跡が残る大地です。 14世紀半ばから続くアユタヤ王朝は、その川を利用した交易によって莫大...read more
文化遺産

エッセンのツォルフェライン炭坑業遺産群(ドイツ)

※アイキャッチ画像は版権フリー画像「 Stefan KorbionによるPixabayからの画像」 Zollverein Coal Mine Industrial Complex in Essen ( Germany ) OUV(ii)(iii) 2001年世界遺産登録 ■工場というより巨大なアート。 工場跡を様々なアートイベントやコンサート会場、そして工業博物館としても機能させ、現在国内ではケル...read more
文化的景観

タプタプアテア(フランス領ポリネシア)

※アイキャッチ画像は許諾不要「 Pierre Lesageによる画像」 Taputapuātea ( France ) OUV(iii)(iv)(vi) 2017年世界遺産登録 ■ソシエテ諸島における政治・葬祭・宗教上の中心地としての文化的景観 フランス領ポリネシアに含まれ、一般的にはタヒチとして観光客も多いソシエテ諸島。中でもボラボラ島はとくにハネムーンなどの人気観光地として、1週間で60万円前...read more
文化遺産

ムザブの谷(アルジェリア)

※アイキャッチ画像は許諾不要「License Copyright All rights reserved by Gaston Batistiniからの画像」 M'Zab Valley (Algeria) OUV (ii)(iii)(v) 1982年世界遺産登録 ■砂漠にオアシス、高度な水利技術をもった人々 アルジェリア北部、サハラ砂漠の涸れ谷(ムザブの谷)にある五つの街、ナツメヤシのオアシス、その...read more
文化遺産

アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群(エジプト)

※アイキャッチ画像は版権フリー「マサコ アーントによるPixabayからの画像」 Nubian Monuments from Abu Simbel to Philae (Egypt) OUV (i)(iii)(vi) 1979年世界遺産登録 ■様々な伝説を生んだファラオ、ラメセスⅡ世 メンフィスのピラミッドラッシュがエジプト古王国時代だったのに対し、新王国時代(紀元前15世紀~9世紀頃)に入ると、...read more
文化遺産

メンフィスとその墓地遺跡-ギーザからダハシュールまでのピラミッド地帯(エジプト)

※アイキャッチ画像は版権フリー「Pete LinforthによるPixabayからの画像」 Memphis and its Necropolis – the Pyramid Fields from Giza to Dahshur (Egypt)  OUV(i)(iii)(vi) 1979年世界遺産登録 ■三大ピラミッド以外にもいろんな形のピラミッドが残るエリア 世界遺産としては「メンフィス地域」「...read more
文化遺産

古代都市チチェン-イッツァ(メキシコ)

Pre-Hispanic City of Chichen-Itza (Mexico)  OUV (i)(ii)(iii) 1988年世界遺産登録 ■聖なる泉にいる魔法使い 古くからこのエリアには「セノーテ」と呼ばれる”聖なる泉”、地下泉が存在しました。石灰岩の岩盤が陥没して地下水が露呈してできたのですが、チチェン・イッツァ周辺には川や湖沼がなく、唯一の水源でもあり、とても貴重で神聖視されたのだと思...read more
文化遺産

ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群(イギリス)

Stonehenge, Avebury and Associated Sites (United Kingdom)  OUV (i)(ii)(iii) 1986年世界遺産登録 2008年範囲変更 ■未だ謎多き巨石群 ヘンジとは立石の上に水平に石を重ねた構造物を指すそうです。まさにこのヘンジが環状に並んでいるのがストーンヘンジと呼ばれています。またストーンヘンジだけでなく、ここから離れた位置にあるエ...read more
文化遺産

ポンペイ、エルコラーノ、トッレ・アヌンツィアータの考古遺跡(イタリア)

Archaeological Areas of Pompei, Herculaneum and Torre Annunziata (Italy)  OUV (iii)(iv)(v) 1997年世界遺産登録 ■ヴェスヴィオ火山の噴火 紀元79年8月24日午後1時すぎ、ヴェスヴィオ山の大噴火によってポンペイの町には大量の火山灰や火山礫が降り注いだ。噴火は30時間以上に及び、ローマ時代の古代都市ポンペイ...read more
文化遺産

アルベロベッロのトゥルッリ(イタリア)

The Trulli of Alberobello (Italy)  OUV (iii)(iv)(v) 1996年世界遺産登録 ■トンガリ帽子の不思議な屋根 石灰岩の土壌豊かなこのイタリア南部・プーリア地方では、古くからこの素材を使った石造りの家が立ち並んでいます。かつては森に囲まれていたとされ、「美しい木」を意味するこの地域、アルベロベッロ。トゥルッリとはこの不思議な形の家を指します。 トゥルッ...read more